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詩ことばの森(84)「寒さの夜に」

寒さの夜に

寒さの夜 ぼくは眠れなかった
庭の木々が ささやきかける

それは 葉ずれの音だろうか
風は ぼくの心を吹き抜けていく
つめたく 虚しいものを
体の奥底に 残していく

それらの 一つひとつを数えながら
ぼくは まだ眠れずにいた

やがて 庭から
雨音が きこえはじめる
心は庭におりて たたずんでいた
木々の嘆きに 寄り添うようにして

(森雪拾)


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