見出し画像

詩ことばの森(124)「追憶の森」

追憶の森

かつては深い池があった場所で
獣の足音が消えた水辺の幻
森の奥では褐色にふるえていた
耳に響いてくる影たちの存在

草をかき分け  小石を踏み
乾いた土から  乳白色のかけらが舞う
あたかも無力な生き物としての
運命すら   すでに感じられぬほど

(森雪拾)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?