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詩ことばの森(155)(畑中の道は)

(畑中の道は)

畑中の道は静かだった
雲のない青空から
時折   風に乗って
列車の音が聞こえた

それはかすかな響きであった
ひとりで郊外の町に
自分がいることを感じた

なんのために?
なんのためでもない
予めそう決められていた
人は孤独になるほど
運命として感じるものだろうか

土の色は濃く
夏の色の激しさを秘めて
彼に迫ってくる

自分の足元が
深く沈んでしまう錯覚さえ
覚えながら
風の音に
どこか怯えている
自分を感じていた

(森雪拾)

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