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詩ことばの森(97)「石の心」

石の心

石を見ていたら
誰かの声が聞こえた

振り返ると
そこには誰もいない
僕の目の前には
石が置かれているだけ

立派な石だなあと思いながら
石にも心があって
何かを語りかけている
そんな気がしたのだ

僕のいたたまれぬような
浮足立つ気持ちを
石はすっかり
見抜いているのかもしれない

僕はしばらく石を見つめていた
あやかることはできぬまでも
少しは強い自分になりたいものだ
僕はそっと石の上に手をおいた


(森雪拾)

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