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詩ことばの森(129)「静寂の夜」

静寂の夜

白い孤独さえも
闇に溶けてしまうのか
静寂さにいたたまれぬまま
花は身をよじらせて
僕の前に立っている
無数の時間が過ぎ去り
花弁に灯りを点している
語りかけようとする仕草に
僕も何かを口にしかけたが
小さく明滅を繰り返すと
花はふたたび黙ってしまった

(森雪拾)

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