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美味しいから一口食べて。

誰でも大好物ってあると思う。

私は美味しいものを食べるのも好きだし、好きな人には美味しいものを食べさせてあげたいと思うタイプである。

わが家のJSちゃっかりは私とまったく同じタイプで、自分が食べて美味しい!と思うものがあると、『これ食べて!美味しいよ!』と配るクセがある。

たとえその美味しいものが少ししかなくても、である。

美味しいクッキーが2枚しかなくても、自分が一枚は食べて、残りの一枚は、小さく3つや4つに分けてでも家族や友達の口に持っていくのだ。

『美味しいよ!食べて‼︎』

対してJKドカ弁は大食いだから一口を人には分けてやらないケチなやつなのである。

なんというか、私の育て方が悪かったのだろうが、妹のちゃっかりが産まれてくるまでの4年半、十分に一人っ子気分を堪能させすぎたせいもあってか『俺のモノは俺のモノ』な習慣がついてしまったようである。

三つ子の魂百までとはよく言ったもの。

『こんなに十分に育てたのに、ドカ弁はケチやね〜』

祖母である私の母にも言われる有り様である。

あれ?こういうタイプの子ってどっかで見た気がする。

思い返してみてハッと気がついた。

遠い昔付き合っていた彼だ‼︎

中華街に行ったときのこと。

『あ、豚足や!オレ好きやねん!』

そう言って豚足を買った彼。

『おまえも買ったろか?』

いや、私はその豚足が無理なんやんか。

豚のヒヅメが生々しくてムリ。

『いや私は別のやつ食べるわ。』

そう言って豚まんを買ってもらったのだ。

早々と豚足を食べ終えた彼が、次はラーメンを買った。寒かったし美味しそうやなぁと思った私。

『めっちゃ美味しそうやん。私にも一口ちょうだい。』

この言葉に彼はなんと言ったか?

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