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【哲学】有名哲学者を5人ピックアップして読みやすく解説してみた

総合的な思考基盤を養うことをテーマに読書した知識を引用・解説していくnote。本稿では哲学者を学んでいくとする。

哲学で一番ひええと思うのはその哲学者の多さ。だんだん名前が覚えられなくなって「もう哲学なんて読まないもん」となった人も多いはず。大丈夫です、わかりやすく説明していきます。

アリストテレス(紀元前384年~紀元前322年)

全ての人にとっての友は、誰の友にもなれない。━━━アリストテレス
(A friend to all is a friend to none.)

アリストテレスといえば、プラトンの弟子です。ソクラテス→の弟子のプラトン→の弟子のアリストテレス、ですね。

アリストテレスは「万学の祖」と言われ、論理学、天文学、生物学、弁論術、詩学などかなり広く知識を体系的に纏めた哲学者です。

沢山考えて沢山学問を学んでいたアリストテレスですが、それだけでなく学問の素となる「物事の考え方」を立ちたてました。

どういうことかというと、

共通する「存在」「実体」「本質」についての探求であり、そもそもそれはなんですの?

という考え方です。

人間について研究する場合は、そもそも人間ってなに?
飛行機の飛行時間を延ばす研究であれば、そもそも浮力ってなに?
といった基礎的な理解が必要です。

それが分かってこそ真に理解した、と言えるとアリストテレスは考えていました。

そんなアカデミックマニアなアリストテレスもすごくヤンキー漫画のような熱い一面を持っていたりします。

冒頭にあげた名言でもわかる通り、

━━━誰からも好かれるような八方美人をしている人間は表面的には中心にいるように見えているだけで、実は誰からも好かれていないよね

ということを書いています。

あらゆる学問とその基礎を探求し、それでいて社会力学まで理解していたアリストテレスはさぞモテたんでしょうね。

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ルネ・デカルト(1596年~1650年)

我思う故に我あり━━━ルネ・デカルト
(I think, therefore I am)

デカルトと言えば有名なのはなんと言っても以上の名言━━━これ聞くとルカリオの「波動は我にあり」を思い出すのは私だけ?

デカルトの思想で特徴的なのは、

一見正しいように見えるすべてにおいて疑って━━━メンヘラ彼女のように━━━最終的に疑いようがなくなればそれが真理

だという方法的懐疑を提案したことにあります。

今日の僕は昨日の僕と同じなのだろうか?ここにあるコーヒーカップは本当にここにあるのだろうか?一日は24時間と言っているが本当に24時間なのだろうか?

などなどあらゆることに疑問を持ったんですね。そして何もかもわからなくなって発狂していたところ一つだけ正しいことが分かったんですね心理が一つだけあるじゃないかと。


それがかの有名な「我思うゆえに我あり」

つまり、見えるもの、感じるもの全てに疑う余地があるとしてもただ一つ、疑っている私がここにあるという事実だけは疑う余地のない真実である。

ということです。

痺れますねー。大抵のことは真理か分からないけど、今そんなことを考えているのだから自分がいることは確定でしょう!とは普通おもいつかないですよね。

そんな心理・思考を追究していデカルトは、心身二元論の第一人者でもあります。ただこれかなり複雑になるので別でまとめています。

https://note.com/update_value/n/n12ffec676aae

ストイックに自分を見つめなおした自己分析の究極系とも言えるデカルトは近代哲学の父として名をはせているのでした。


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トマス・ホッブズ(1588年~1679年)

国家は必要なのは、人間が生まれつき悪だからではない…
人間が本質的に社会よりも個人主義的であるからだ。━━━トマス・ホッブズ
(Government is necessary, not because man is naturally bad... but because man is by nature more individualistic than social.)

ホッブズ、皆さん聞いたことありますか?実は有名な「リヴァイアサン」という著者がこのトマスなんです。━━━イタリアっぽいけど出身はイングランドです

リヴァイアサンはカードゲームやテレビゲームでも竜のような怪物として登場しますが、まさにこれです。

ホッブズは「国というものはこういう風に成り立ってます、国によってそれぞれ違うんです、それが国家論なのです!」ということをただとてつもなく長く書いているのですが、

かなり纏めると、国民は放っておくと同士で喧嘩するから国を最も権力あるポジションにしてルールを仕切らせることで平和が保たれるよね、と書いています。

つまり、国=リヴァイアサン(怪物)と社会契約を結び、生きる為の権利を委託することで最低限の安全を保障できるよね、ということです。

━━━なるほど。国がなく自由奔放に生きていたサピエンスの時代と科学的で文明として生きている人間、ではこの社会契約論の元に立脚しているのかと妙に筆者は納得しました。


そんな壮大スケールな著作がある彼ですが、とある数学の問題の解を見つけたぞ、と公表したがそれが誤っており批判していた数学者とバチバチに論争に発展しました。

とうとう死ぬまで自分の過ちに気づけなかったのは頑固でお茶目な一面です。

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シャルル・ド・モンテスキュー(1689年~1755年)

真に偉大な人間になるには、人々の上に立つのではなく、彼らと共に立たなければならない━━━シャルル・ド・モンテスキュー
(To become truly great, one has to stand with people, not above them.)

モンテスキューは人間本来の思考や性質を深く理解しようぜ!という思想を唱えた一人です(啓蒙思想)

教会や宗教のような、

超自然的なものをそのまま放置せずに、自分たちの理性でしっかり把握しよう!

ということです。━━━おおこれは神の思し召しじゃーという理屈なしを辞めようぜという話

この思想はまさしく、貴族や聖職者などの権力独占組をぼこぼこにするフランス革命などにも通じる歴史的転換点ともいえます。

そんな一大ブームを巻き起こした現代でいうヒカキンのような偉人ですが、実は人生哲学としてもかなり有力な名言を幾つか残していますので最後にピックアップしておきます!

この世で成功するコツは、
馬鹿のように見せかけ、
利口者のように行動することである。

多くの場合、成功は成功するまでの
所要時間を知っているか否かにかかっている。

ただ幸福になりたいと望むだけなら簡単だ。
しかし他人よりも幸せになりたいというのならば、それは困難だ。
我々は、他人はみんな実際以上に幸福だと思っているからだ。


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イマヌエル・カント(1724年-1804年)

動物を残酷に扱う人は人間関係においても辛くあたる。
私たちは動物への接し方によってその人の心を測ることができる。━━━
イマヌエル・カント
(He who is cruel to animals becomes hard also in his dealings with men. We can judge the heart of a man by his treatment of animals.)

動物に関する名言があるので「イヌマエル」と呼んでしまいがちなのですが、イマヌエルなのでお間違いないように。笑

名言はまさしくですよね。筆者もかなりの動物好きなので賛成です。動物に対して優しい人は人間にも優しい傾向があるなと思います。

もちろん人間には理性があり、言語を司るので、過去の嫌な経験があって壁をつくっていることもありますが動物好きは根源的には優しいです━━━ペットショップとか幸せそうな人しかいない

さて、そんな名言からも人の好さがあふれ出ているカントですが、実はかなり凄いことを成し遂げた哲学者なんです。

主著には『純粋理性批判』、『実践理性批判』、『判断力批判』という三つがあるのですが、とりあげられている理性の関心とは、突き詰めれば「人間とは何か」であり、

その問いは「私は何を知りうるか」「私は何を為しうるか」「私は何を望みうるか」

の三つに分けられます。

それぞれの問いが『純粋理性批判』、『実践理性批判』、『判断力批判』に対応しています。なかでも『純粋理性批判』は、

「形而上学を葬り去ることではなく、形而上学を学問としての基盤の上に打ち立てるための準備作業のようなもの」

と位置付けています。━━━アリストテレスと同じだ!

各著かなり難しいですが、要するに、人間ってなにか分かってる?人間ってなんで生きているの?人間って何がしたいの?について固定観念を覆すような理論を提唱したのです。

そんなカントの生活は、日々起床から就寝まで、規則正しい日課に沿って生活していた、という逸話があります。

カントの1日は、早朝に起床、自宅で少し研究をした後、大学で講義を行って帰宅、人を招いた食事会、そして常に決まった時間に散歩をしていました。

散歩の時間もあまりに正確だったため、人々はカントの姿を見て時計の針を直していた……なんで逸話もあります。

自分に厳しく、道徳的で、勉強熱心だからこそ偉業を成し遂げられたんだろうと思うと今日から規則正しい生活をぜひ心がけたいなと思います!

以上いかがでしたでしょうか?本当に触り部分だけ紹介したのでなんとなーくこの人はこういう思想だったんだ、あたりはインプットできたことと思います。

大事なのは一言一句そらんじることではなく、自分が何か考えるときに偉人の思想を引用して強靭な基盤の元で自分の思想を打ち立てられることです。

なので「そういえばこれはあの偉人がいってたな」と思い出せばそれでOKなのです。あまり気負わず楽しめると哲学は強力な武器になること間違いなしです!

━━━FIN

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