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障害児の親、テック企業を創る。

「私たちは障害児者の人生可動域を拡張するグローバルテックカンパニーです。」

と言い切れるようになりたい。

まずは療育コンテンツ、その後学習コンテンツ、それから就労コンテンツみたいな感じで作っていく予定ではあるんだけど、そもそも障害児者のライフステージってどういう感じなんだっけ?というのを考えている。

乳児期(0-1歳)
幼児期初期(1-3歳)
幼児期後期(3-6歳)
学童期(6-13歳)
青年期(13-22歳)
成人期初期(22-40歳)
壮年期(40-65歳)
老年期(65歳〜)

みたいな感じで分かれているとして、それぞれのステージにおいて獲得したいスキルやマインドセット、ステークホルダーってどういう人たちで、健常者と言われる人々と何が違うのか?そしてそことただ比較するのではなく、家族を含めた当事者が本当に求めているニーズがなんなのか?を分析する必要があるなと思っています。その課題に対してのソリューションなんだから、コンテンツが先行する形ではないはず。

さらに、障害児者とその家族を取り巻く制度の問題というのがある。制度のことなんて興味持ったことない人たちが突然障害児の親になったりする。僕もそうでした。まずどこに行って何をどう申請したらいいのかわからないし、そもそも何がどういう仕組みで動いているのかもわからない。何もわからない中で行政機関に駆け込んでも、行政担当も全貌を把握しているわけではないので、むしろこっちが明確な質問を持っていかないと話が進まなかったりする。いざ療育が始まると病院やセラピストが主導権を握り、障害児とのその家族は置いてけぼりになりがち。目的や効果がわからないままリハビリや機能訓練が続いていく。このモヤモヤを誰かに相談したいけど、そもそも人口における障害児の比率や地域における活動範囲に制限があったりするので相談できる友達や仲間もできにくい状況にあり、どんどん孤独になっていく。

いいのか?本当にそれでいいのか?これまでの人類史上、障害と共に生きて死んでいった当事者や家族がどれだけ苦しく悔しい思いをしてきたのか、最近ひしひしと感じています。

「私たちは障害児者の人生可動域を拡張するグローバルテックカンパニーです。」
と言い切れるようになりたい。

医療専門職と障害当事者家族のハイブリッドチームである僕らができることは無限にある。世界中で24億人の人たちが僕らのビジョナブルなプロダクトを待ち侘びているのだ。日常を革新し、未来を構築し、歴史を変えるのだ。そのために研究開発をし、営業推進をし、海外展開もする。どうせ国を超えて活動するなら世界の常識をどんどん吸収して最も理想に近い世界観を創る。
未来の巻き戻し。

今仕込んでいる未来構想を羅列するとこんな感じになる。

・情報共有ツールの開発
障害児者本人と家族を真ん中に置くというペーシェントセンタードケアの概念は言葉だけで、本当に本質的に実践できている状態を僕は感じたことがない。それを実現するべく、あらゆるステークホルダー間で必要な情報を共有し、真ん中に柱となる概念を打ち立て、そこに向かってチームを作っていくようなイメージだ。もちろんスマホやタブレットやPCで操作でき、そのログ情報が積み上がれば積み上がるほど当事者や家族の人生を後押しする素材になる。支援職も、今まで口頭や紙ベースで薄い情報だけを受け取っていた文化から脱し、労力を必要以上にかけることなく上質なデータを集めていくことができるというもの。

・意思伝達ツールの開発
脳血流、脳波、筋電、心拍、瞬目、体動、表情などなど人間の意思を表出するために必要な素材というのはたくさんあって、何を活用するかで何を表出させられるかが変わる。AIがモノを作り、車が自動で走り、脳に電極を埋め込む時代に突入した今、僕らはどのような研究をしどのようなビジョンやステートメントを掲げて開発に挑むべきなのか、たくさんの時間を使って仲間たちと議論をする必要がある。そして僕らだけでは圧倒的に知識が足りない。大学で研究するアカデミアの先生方をいかに巻き込むかが肝であり、すでにデジリハを導入してくれているユーザーさんとの現場を中心とした議論も必要だ。これがまた最高に楽しいのだ。

・社会活動空間の開発
障害児者にとって自律という言葉はとっても大切。大切だけど本当にたくさんのハードルがあって、そもそも家から出るのも大変だったり病院や施設にいないといけない状態の人もいる。そんな中で社会ではダイバーシティ&インクルージョンが叫ばれているが、絶対に取り残されてしまう人がいる。バーチャルとリアルを繋ぐXRやメタバースの技術が開発され製品化されている中で、この要素を見逃すわけにはいかない。まだまだ正解がわからず大企業が模索している中で僕らのようなベンチャーが何をどこまでやるのかを打ち立てないといけない。

・デジリハ導入を今の100倍に広げる
現在、導入施設41施設。病院や放課後デイや特別支援学校など様々な拠点にインストールされ、そこに通う障害児者が日々使ってくれている。その分析をするデータベースとダッシュボードをそろそろリリースするのだが、アプリとセンサーとデータという現在開発や連携済みの価値を4000施設くらいまで拡げたい。3年以内に。とても高い目標かもしれない。僕らの製品はまだそこまでのレベルに達していないかもしれない。けれどやるのです。2倍3倍どころか100倍に至るまでどのような登山になるのかは未知すぎるが、今導入してくれているクライアントと共にその茨の道を進むのです。言い換えればおんぶにだっこ。導入施設の意見や思想を加えていかないと僕達は独り立ちできないのです。

・デジリハSTUDIOの設立
各地域で療育、学習、就労を革新する拠点として、しかも制度に頼らない形で存在させる。STUDIO自体を世界展開して国を超えて障害児者がコラボしてリハビリトレーニングしあったり学び合ったりプロジェクト組んで仕事生み出したりとかそういうことができる拠点。

・海外展開
まずはインド。それからアメリカ。からのヨーロッパ。そんでアフリカ。どんどん行きます。1年ごとに試験導入を開始します。今年インドに2回ほど行ったけどそのポテンシャルを言葉で表すのが難しいくらいものすごい未来を期待できる国だ。ハードルもある。けど現地にたくさんの仲間もできた。あとはやるだけ。僕らは拡大すればするほど意義が拡がる企業だから、やらない手はない。

・製品の小型化
今はPC、センサーを使ってモニターやプロジェクターに映し出したりしている。これを小型化したい。ポケットに入るくらいのサイズにしたい。どこぞのジョブスのようにスッとポケットから出すようなものをイメージをしている。そうすれば病院や施設を飛び出してどこでも価値提供ができるし、訪問リハビリにも活用してもらえる。将来的にはカフェでデジリハやってるなんていうのも夢じゃない。スマートでカジュアルなデジリハを生み出すためのハードウェア会社も探している。あとはお金だね。

・デジリハLABの再開
障害児と健常児と言われるキッズたちとやってきた共同企画会議のプラットフォームをそろそろ再開したい。コロナの期間オンラインで繋いできたが、そろそろまたやりたい。こういう会議体が彼らの出会いの場となり、そのままアントレプレナーとして協働するようなインキュベーション機能になっていけたらと妄想している。障害児者の起業。既存の就労支援や障害者雇用の枠組みでは圧倒的に不足している価値を創出するための実験的な場としてローカル、グローバル問わず運営したいと思っている。


デジリハに賛同し、投資してくれている方々がたくさんいる。
そのうちの一人に言われたことがある。

「岡さん、企業としてのバランスなんてとらなくていいですよ。バランスを取るのではなく技術性、社会性、経済性の全てを追うんです、全てを。」

そうか、バランスを保って全てを失速させるのではなく、全てを追い求め追い越すくらいの勢いで全方位に成長させていくのか。というイメージで今は突き進んでいます。

投資家も、チームメンバーも、アカデミアの先生方も、ものづくり企業も、導入施設も、個人のユーザーさんも、行政機関も、国連も、WHOも、この文章を最後まで読んでくれている方も本当にありがとうございます。

なんか、ふっと思いついて文章を書き綴りました。

私たちは障害児者の人生可動域を拡張するグローバルテックカンパニーです。

これからもよろしくお願いします。


2023年11月15日
株式会社デジリハ 代表取締役
岡 勇樹



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