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高知県移住大作戦 4

〜心の出発編〜 番外の2

つづき

京都府宮津市に数日滞在し、釣り三昧飲んだくれ三昧を目論んでいたのが、10月の寒暖差にやられ体調を崩し半分くらいしか満喫できなかった〜、残念。。
そんな中でもNOCO船長の船には乗せていただきましたよ。釣ったお魚を夕食にお料理していただき、いつも自分で料理しているからことさら嬉しかった。
「風の谷のお宿 よっこら諸島」は宮津市の山中にありながら海もすぐ近く、古民家を改装したお宿は母家側が食事処&BARの「ヤポネ島」、離れ側には宿泊のお部屋と宿泊者が自由に使えるキッチン&ダイニングスペース。
外には山の水が常に流れている流し場があり魚を捌くのに最適。屋根付きのBBQ場もある。
全てNOCO船長とパートナーのガンジーさんで改装したり設えたりしたそうだ。
凄すぎる、能力にも情熱にも脱帽だ。

滞在中のお喋りで、NOCO船長が、ゲノム編集魚って知ってますか?と。
知らないです。初めて聞きました。
地元の漁業者すら知らないうちに、宮津にゲノム編集魚の養殖場が作られ、ふるさと納税返礼品にまでされてしまっていたのだと。
ゲノム編集という言葉さえ私は知らなかった。
調べてみると、狙った遺伝子を攻撃破壊し欠損させ、求める性質を得るという技術だった。深く調べる前に、直感的にそれダメなやつでしょと感じた。
そこからゲノム編集魚に関していろいろと調べた。リージョナルフィッシュという名の京都大学発のベンチャー企業(地魚の意、ほんとふざけてる。怒)が製造販売しており、元を辿ると近畿大学が和歌山の白浜研究所で京大と技術提携して開発したものだった。
近大は近大マグロですでにブランドが確立されているのだから、そんなに素晴らしい技術なら近大の名前で大々的に売ればいいじゃないの。なぜ近大の名前で出さないの?
ゲノム編集された動物を食品として流通可なのは世界中で日本だけだということもわかった。欧州では作ることも販売することも禁止されている。

NOCO船長、これは宮津だけでなく、日本に世界に関わる問題ですよ。

厚労省のHPだけでなく、議事録も読んだ。
食品として流通可の論拠は「外来遺伝子を挿入する遺伝子組み換えではないから」だった。遺伝子組み換え食品は安全審査を行わなければならない。しかし遺伝子組み換え食品ではないから安全審査もナシ、任意だけど届出はだしてね、というユルユルなものだった。
なんせ世界初だから制度が確立されておらず、お役所も手探りな感じを受けた。
リージョナルフィッシュ社はそれを逆手に取り、届出が受理され国が認めましたと吹聴している。厚労省に直接確認したところ、「国が許可認可するものでなく、安全を検査するのも責任を取るのも事業者である」との回答だった。まさに制度の隙間谷間のゲノム編集魚。
そして全然国民に周知されていない。私も、お魚大好きな釣り仲間たちも誰も知らなかった。
むしろ意図的に、知られないうちに既成事実を作る作戦なのかと思う。遡ればアメリカの指示でね。アメリカもゲノム編集食品を流通させたけれど、市民の反対運動により頓挫した。そして日本だけが残った。

NOCO船長はすぐに動き始めた。
市長と話がしたいと申し入れたら質問や意見は自治会単位でしか受け付けないとはねつけられ、市議にコンタクトを取り、あなたがたは知っていたのかと確認し、周りの漁業者にも話を聞いて回った。結果、最初から知っていたのは、自民党市議1人と地元のドンと呼ばれる人物周辺の数人だけらしいとわかった。
私は東京で、ネット検索できることはどんどん深掘りして調べた。厚労省、経産省、農水省… ことに農水省がずいぶんとリージョナルフィッシュ社に肩入れしている。農水省独自のイノベーション大賞のようなものを創設しリージョナルフィッシュ社に受賞させ、農水省の人間をレンタル社員という体でリージョナルフィッシュ社に派遣し(お給料は税金から)、その農水省の人間が、農水省の賞を取りました!と宣伝する自作自演。

調べている中でわかったのだけど、多くの府県の知事は省庁出身なのだ。ずーっとお役所勤めで誰も顔も名前も知らないオッサンが、ある時突然知事になる。
京都府の知事も国交省出身だった。
ちなみ、やはりゲノム編集やってる徳島大学のある徳島県には、次の知事候補として副知事に農水省の人間が送り込まれている。

アメリカ→自民党政権→省庁→自治体の連携プレーでがっつり固められてるんだね。国としてゲノム編集魚にGOの指示を出したのは、アメリカと大の仲良しだったシンゾーです。
リージョナルフィッシュ社が宮津市に養殖場を作った経緯では、京都府知事から宮津市長にいい場所ないかと打診があったそうだ。その何ヶ月後かに、知事から「こっちで決めたから」と連絡があったといい、そして関西電力の土地に作られた。
まだ実績のない出来立てベンチャー企業を、知事が面倒みてハナシ付けてくれるのか。関西電力は電通のように、あちこちに絡みがある。

これに対抗するには下から声を上げていくしかない。小さな地域小さな自治体からゲノム編集食品NO!と声を上げ、拡げていくしかない。現にアメリカは市民が声を上げ、ストップさせたのだから。

NOCO船長は、まずはたくさんの人に知ってもらおうと、チラシを作り身近な人に伝えることから始めた。
宮津市の「出張市長室」の制度を利用して市長との会談の場を作り、新聞記者も呼んで記事にしてもらった。
「ゲノム編集とらふぐを宮津市のふるさと納税返礼品から削除し、海上養殖は絶対にさせないでください」という署名運動を立ち上げ、他の市民団体や生協などとも連携して署名を増やしていった。
宮津市長選挙では、ゲノム編集魚にNOの政策を掲げた候補の選挙応援に、HPを作ったり選挙カーに乗って街宣していた。宮津市民ですら知らない人がほとんどだったゲノム編集魚のことを、たくさんの人に知ってもらえた。
ドキュメンタリー映画「食の安全を守る人々」の自主上映会を宮津市にて3daysで開催し、映画に登場するインタビュアーでありプロデューサーの山田正彦さんをお招きして講演してもらうためのクラウドファンディングも成功させた。山田正彦さんの講演がある日の予約は埋まり、立ち見でもいいからという人たちが詰めかけた。
その布石で、宮津市での自主上映会の2ヶ月ほど前に東京で他の自主上映会&講演があり、私が署名のチラシを配らせてもらいに行くと言ったら、NOCO船長は夜行バスで東京にやってきた。一緒にチラシを配り、そして山田正彦さんに、宮津でも上映会をやりますから宮津でこそ講演していただきたいと段取りをつけていた。山田正彦さんも、映画にも出てくるゲノム編集魚が養殖されている宮津市から釣り船の船長さんが駆けつけてくださいましたと紹介してくださり、NOCO船長がみなさんに直接お話しする場を作ってくれた。
そしてNOCO船長はその日の夜行バスで京都に帰っていった。

3足のワラジを履き、自分のお仕事もしながらですよ!なんという行動力!本当に凄い、感服する。

つづく

※ゲノム編集魚の何がダメなの?と思った方はコメントください。長くなりすぎるので割愛しました。

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