見出し画像

私はこの「事業」をやりたい! (NPO未来ラボ 2回定例会サマリー、門田瑠衣子さんゲスト)


==はじめに==

 私は今月から
 「NPO未来ラボ」というオンラインサロンに入っています。

  今井紀明さん(認定NPO法人D&P)が主宰されて
 新しい時代のNPOの活動の形や、ネットワーク作りなどを
 ともにやっていくサロン

 
  私は学生時代はよくNGOやボランティア、特に国際協力
 について関心を持ってやっていました。そこが入口となって
 タイに関心を持つようになり、タイ仏教、開発僧研究とつながって
 行きました。
  
  最近、学生時代の時の縁が再び紡がれてきている感じが
 自分の中で起こってきていて、私自身も再び社会貢献や
 NGO,NPOのことなどを学び直したいという思いが湧いてきました。

  そんな時に今井さんのこのサロンに思い切って入ってみたのです!
 
 オンラインサロンなので、ネット上でのつながりが主。しかも
 私はタイからなので、サロンの方と誰とも直接お会いしたことがありません(笑)

  でもそんなネット上のやり取りでも、すごく熱意が伝わり
 若い方たちから刺激を受けています。(おそらく私が最年長)

  さて、前置きが長くなりましたが、そのNPO未来ラボでは
 定例会があって、いろんなゲストの方をお呼びすることになりました。

  5月11日には東京で第2回目の定例会があり、
 エイズ孤児支援の国際NGO代表、PLAS (プラス)
 門田瑠衣子さんがゲストで来てくださいました。

  その定例会のサマリーを、書く役目をいただきまして
 まず私のnoteにアップさせていただきますー。

  公式には、NPO未来ラボのnoteがあってそちらに
 詳しくまとまった形のものが載る予定です。

  また始まったばかりですが、NPOの新時代を担う方たちからの
 素敵な発信がこれから続々と出てくると思いますので
 もしよかったらフォローお願いします!

========================

「創業&事業作り、未来を考える」
NPO未来ラボ 第2回定例会 サマリー

ゲスト:門田瑠衣子さん(エイズ孤児支援NGO・PLAS)

2018年5月11日(金)19:00−21:00
Campfireオフィス(東京都渋谷区)

—————————————————————————————— 

==目次==

 1)関東メンバーの自己紹介
    (NPO未来ラボは大きく関東・関西メンバーに分かれています)
 2)門田瑠衣子さんの活動内容紹介
    
 3)質疑応答
 
 4)Campfireメンバー紹介

 おまけ:浦崎のコメント



====

それでは、以下本文続きます。

1) 関東メンバーの自己紹介
   (れいちぇる、よこやん、がんちゃん、大輔、八甫谷、
    ひさっしー、山崎)
 
2) 門田瑠衣子さんの活動内容紹介 
 
   「アフリカの子供たちの未来を守る」
  (特活)エイズ孤児支援NGO・PLAS  ▶ 活動紹介PDFを参照に

3) 質疑応答
   
>現地での雇用もしているのか?
      
 現地のNGOとパートナーシップを組みながら活動している。財務権、人事権も全部現地に権限委譲している
   
>PLASの財務規模はそこまで大きくないが、継続的な支援をされていて注目していた。 門田さんの発信力の強さにも注目。ツイッターやVoicyなど。さらに3名のお子さんを育てながら結果を出されている。社内の効率化を進めてきた経緯や秘訣を知りたい。
   
立ち上げたのは皆学生で23、4歳の頃。最初はハードワークだったが時間も体力もあった。2008年から有給職員に。スタッフの妊娠出産があり、必然的に働き方改革をせざるをえなくなる。2013年に自身も出産。定期的に権限委譲をどうするか、どういうふうにそぎ落としていくかを考えて実践してきた。
   
>資金調達、資金集めはどのようにやってきたのか?


最初は寄付を募るのではなく、実績を作るために事業収入を行う。事業を手伝ってくれる人を募る。現地(ウガンダとケニア)集合で、参加費を払ってもらって学校を建設した。数年間で170名ほど日本からボランティアに来てもらう。学校を建てるフェーズが終わり、ニーズが変わってきたので、ボランティアの必要がなくなった。お金のために無理やりボランティアワークを作るのは違うのでは?とになり、その事業はやめた。

> 寄付集めにどんな困難があったか?


どういうターゲットに寄付をお願いするかが分析できていなかった。どういう人が寄付してくれているのか?オンライン上で管理できる顧客データベースのセールスフォースを活用することで分析ができるようになってきた。

>大前提として変えたいビジョンがあると思うが、寄付集めは何がポイント?

何となくではなく、「ちゃんと」お願いするようになった。いつまでにいくら必要なので今、寄付してくださいというお願いをしないと集まらない。

>門田さんが10年以上続けられているモチベーションは?

やっていて楽しい瞬間がある。自分のために活動している。「自分がこういう社会を作りたいから、やる」というのを意識している。何とかしたいと思っている私。そう意識していると続けやすい。
出会う人たちに対する共感、変わっていくこと。背景にあるのは、自分が変化しているということ。やりながら自分がバージョンアップしていくことが楽しい。

>最近は現地に行けてないのでは? モチベーションは下がらないのか?


モチベーションはそんなに影響受けない。以前より行く時間が減ってきたのは残念だけれど、その代わり「現場だったらやりたい」という人が入ってくれて、その人たちに譲っていったら、この仕事が残った。私は現場だったらやりたいわけではなく、「この事業がやりたい」ので日本にいてもモチベーションは変わらない。

>今の門田さんの主な仕事は?
 
海外事業の大枠の方針を決めたり、資金調達のための助成金申請書を書いたり、講演など。

>PLASで目指しているのは、結局どこまでの成果?
 
その都度少しずつ目標が状況によって変わる。今は、向こう3年で500名の子供達の生計向上やキャリア・プランニングの事業。
現地の政府への政策提言などは、アフリカでやることの難しさがある。
役人が頻繁に変わる。事業自身をしっかりやることに専念している。

>現地の政府にはあまり期待していない?

というより政府と敵対するようなことがないよう、政治的には中立を保つようにしている。不当に逮捕されるリスクもある。村で選挙があるときなどは村に入らないようにすることも。ただ村を歩いているだけで「あの日本人も応援してくれている」などと利用されることもある。

>門田さん自身、よく情報発信をしているがNGO業界への疑問やもっとこうよくしたいという問題意識があるのではないか?

閉じないコミュニティを意識している。今、はあちゅうサロンに入っているのも、NPOと関係のないところに入ってみたい。コミュニティを広げておきたいという気持ちがある。国際NGO今、リーダーシップとっているのは50代、60代。20代、30代が少ない危機感がある。国際NGO 業界に関心を持つ若い人が減っている国際NGOに雇われたい人はいるけれど、リーダーシップをとってやりたいと思う人が少ないのではないか。ソーシャルビジネスの方に流れていってる?

>ソーシャルビジネスも悪くはないが、国際NGOができることもあるのでは?また寄付型のNGOができることは?

税金を使っての事業は、政府の外交政策にのっとったものにしなければならない。寄付型だと現地からのニーズを引き出して、寄付を募ることができる。行政政策にのらないニーズでも事業ができる利点がある。また政府の助成金を使っての活動は外交がない国では活動ができないという制限も。

>発信に関して心がけていることは?

1、 関心がない人に問題を知ってもらうこと。
2、 国際協力の業界に働きたい人、働き始めた人に対してどんな情報が欲しいか

 この2つを意識して情報発信をしている。

>NPOをやる際に、これだけは気をつけた方がいいことは?
 
  とにかくやった方がいいと思う!条件が揃ったらやろうではなく
  もう、やろう。一番の失敗は、やらないこと。

>巻き込んでいくために必要な力は?
 
  その人の強み、キャラクターを上手にいかして巻き込む。私自身は楽観的でオープンなキャラクターなので「失敗しても大丈夫だよ。ここにあなたの居場所があるよ」と楽しい雰囲気づくりを心がけている。

 今井>ボランティアさんとかかわれるのが強み。彼らの役割と一定のルールを設計しておくのが大事。

 相手が持っている能力と、こちらが必要としていることとのマッチング。
 プロボノ(プロフェッショナルなスキルをボランティアとして提供する)したい人は結構いるが、9割はマッチングしない。ボランティアもいろんなフェーズがあるので、マッチングをしっかりしないと双方が残念な結果になる可能性が高い。
 
>寄付者へのリターンをどうしているか?寄付者への期待に添わないと、継続的な支援をいただくのは難しいのでは?

 今井>まず認定NPO法人格(NPO法人約5万団体のうちの約2%)を持っている団体には、寄付控除があり寄付者にリターンをしてはいけない決まりがある。報告のみ。

 寄付者にどんなリターンが欲しいかのアンケートを取ったことがある。結論は「ライトな報告でいい」になった。難しいデータではなく簡潔なストーリー性のある報告を心がけている。働いている人の思いを伝えるようにしている。クラウドファンディングのリターンで「ボランティアをする」というリターンをつけたら、結構評判が良かった。1日職員体験としてボランティアをしてもらう。

>ボランティアしてくれる人は、どういう経緯でしてくれているのか?

 インターンは、将来NGOや国連で働きたいという人、ステップアップのひとつとして考えている人が多い。寄付者に関しては、ライトな感じで、なんとなくツイッターで見て選んだという感じの人も。学生時代に海外で活動していたが、社会人になってボランティアできないからか関わりたい人。企業の講演会で縁あって応援してくれている人など。

>初期の仲間をどう集めたのか?

 NPO法人 ナイスでボランティアしていた。世界100か国ほどにボランティア派遣をしているNGO。その仲間でエイズ孤児についての勉強会をして、そのまま事業を立ち上げた。最初7名。何かを一緒にやると 楽しくなり、仲間自体も仲良くなる。

>NPOだけで生計を立てられるようになったのは、いつ頃?どのくらいの期間かかったか?

 事業は自分たちがやりたい事業しかやらなかったので、金銭的な苦しさがあった。マネタイズしにくいがやってきた。2008年雇われた時は月13、4万。貯金を切り崩しながら。2011、12年頃から生計立てられるようになってきた。

 今井>NPOの資金調達の手段がないのは課題。融資も受けられない。ヨーロッパ 
 やアメリカなどは集まるが、台湾や韓国などのアジアは日本と同じような感じで資金調達が難しそう。

>noteで書いていた国際NGOの不正について

ある大きなNGOがシリアで不正に使われいたニュースがあった。ちょっとした不正やトラブルがあってもあまり言わない。普段から疑問を持っていた、業界として起こらないような仕組み作りが必要。そのためにも発言していくのが大切だと思う。語らないと改善されにくい。

>セールスフォースなどのサービスを規模が小さい最初から使ったほうがいいのか?最初は使いやすいエクセルなどを使ったほうがいいか?

 最初は小さく始めるのがいい、使いやすいエクセルなどから初めて
ある程度の規模になってからサービスを使ったほうがいいのでは。

4)Campfireのメンバー紹介 (木村さん、酒向さん)


〜〜〜
おまけ:浦崎のコメント

 門田瑠衣子さんのお名前は、イケダハヤトさんのツイッターで拝見し
 「おお〜、素敵な方がいらっしゃるなあ」と思って、門田さんの
 ツイッターをフォローするようになりました。そしてvoicyを始められた
 時も最初から聞いていて、癒し系かつしっかり芯の通った方だなあ、、と
 勝手にファンになっていました。
  定例会のゲストに門田さんのお名前が挙がって、その場に駆けつけられないものの、すごく嬉しく思って動画上でしたが楽しく参加させてもらいました。

 印象的だったのは「私は現地だからやりたいのではなく、この事業をやりたい」という言葉でした。ご自身のやりたい!を明確に自覚されていて、それをさわやかに明言される姿が、かっこいいなあと思いました。納得感をこちらに与えてくれましたね☺️
  
 お子さんも3名育てながらのこの活躍。私は1人でもアップアップしているのに本当にすごいなあと思います。いつかお会いできる機会があるといいなと思いながら、サマリーを書かせてもらいました。

                       以上です。

応援やサポートをいただくたびに、これからも翻訳や執筆を続けていこう!と励まされています。