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なにかが変わる弟子屈暮らし vol.26

阿寒摩周国立公園の町 弟子屈町(てしかがちょう)での暮らしを綴ります。

色とりどり、美しい森

10月。
てんとう虫が山から大群で押し寄せてきた。それを念頭に書くほど毎日信じられないほどの量を始末した。ある日、パタリとそれは収まる。
ちょうどその頃くらいに白鳥が来始めていた。

月の後半に差し掛かるといよいよ紅葉はピークを迎え、山々が黄色や橙、クリーム色に各々染まり、時々あるヤマウルシやモミジの赤が際立った。今度は鹿のラッティングコールと呼ばれる雄叫びみたいなものが夜中ずっと響き渡った。結構怖い。今は雪虫がたくさん飛んでいる。白鳥が数を増やし、お喋りも多くなった。北海道の秋はとても騒がしい。

去年、何も紅葉の写真が無かったことを悔いていたので、今年は空いた時間に撮影をして、急ぎ足で過ぎ去る秋を逃すまいと追いかける。

遅いと思われた色付きも数日の冷え込みでしっかりとその時を迎え、結果的に例年通りに見頃を迎えていた。暑過ぎた夏のせいだろうか、焼けてしまっている葉も多かったように思う。ちなみにどんぐりや山葡萄・コクワなど木の実は今年は不作らしい。はまなすの花はいつまでも咲いて実をつけていた。

もうじき全ての葉が落ちる。そしたら漸くひと休みだ。

山の後ろへ日が沈む

北海道の生活を綴ってきたこのnoteも3周目となり、気付けば次第に毎年同じ事を書いているだけになろうとしていた。
空いた時間に山を歩いたり、川を下ったり(乗ってるだけ)、湖に足を運んだりして観察を増やしどうにかこうにか知識を深めようとしてはいるものの、なんだか手応えはない。

私は弟子屈に住む前のあの時と変わらず月公休8日の会社員で、月22日は宿泊業でスタッフをしている。
この前初めてお客様にこんな環境でお仕事ができるなんて羨ましいですと言われた。良かった。前の指輪の仕事でよく言ってもらった言葉と同じだった。

先月初めて毎月書いていたnoteをすっぽかしてみた。
いつのまにか毎月書かなければと自分で呪いをかけてしまっていたらしい。
出ない言葉をこねくり回すのをやめて、ポストカードを作ってみた。
紙もサンプルを取り寄せて、あぁでもないこうでもないと夜中考える時間が何かに取り組んでいる実感があって有意義に思えた。
大好きな写真を3枚選定してデザインした。

裏面に写真を説明する文章を綴った。
海外の人も多いからと、外国語が得意な友人に翻訳をお願いしたら、これは詩的な文章だから、と丁寧に意訳してくれた。

先日ようやく出来上がったポストカードが家に届く。ずいぶんコストをかけてしまったが、ひとまず納得がいった。
同じタイミングで届くよう準備していた、透明の袋に入れてみる。
余白が出過ぎないよう小さめの袋を買った。

刷ったポストカードは150枚。
どうするかはまだ考えていない。

浦山 夏帆
1993年生まれ 
横浜市立東高校、日本宝飾クラフト学院卒。
宝飾業界8年目で、ずっと住んでみたかった北海道弟子屈町に住まいを移す。地域おこし協力隊として地域観光のプロモーションに携わった後、現在は宿泊施設のスタッフとして奔走中。夢は森の中にアトリエを持つこと。ときどき指輪を作ります。デザインとライティングは勉強中。鉄道とか山歩きも好き。

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