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知る由もなく

2024/1/12


宿の屋上にて朝食
エジプトの主食である平焼きパン
“エイシ”
中が空洞になっていて
そこに具材を詰めて食べる

そして特徴的なのは
“ムサカ”
所謂ラザニアの様に
肉とナス、ピーマンなどの野菜を
トマトソースで煮込んだ料理

ムサカというとギリシャが有名だそうだが
ルーツはエジプトにあるとの説も


支度を済ませた私達は、市内の名所へ。

ルクソール・テンプル


『おぉぉ…』

エジプト入国3日目にして初めて見る“それらしい”遺跡。
巨大な石像も然ることながら、至る所にびっしりと謎の絵柄が浮き彫りにされており、これが数百年前に記されたものかと思うと気分が高揚する。

隈なくチェックするナスジャ
興味津々


昔よく見ていたテレビ番組「世界・ふしぎ発見!」そのもの。
思えば世界一周など夢にも思わなかった子供の頃から、こういった映像に釘付けだった。

それが今、こうして実際に目の当たりにするなんて、しかも台湾人女性のナスジャと一緒に…。


人生は本当にオモシロイ。








そんな私以上に魅了されているのが彼女だ。
ナスジャは「王家の紋章」という、エジプトをテーマにした日本の少女漫画に魅せられ、今でも自宅に置いて読んでいるらしい。

「夢みたい…!夢なのかな…♪」

と、彼女はいつもの本当にのんびりした口調ではしゃぎ、自分の頬をつねって笑う。


その嬉しそうな表情を見て私は初めて

『あぁ、エジプトに来て良かったな』

と安堵した。



結局
私達は7時間も居続けた

遺跡見学始まって以来の
新記録かもしれない


しかしそれで良いのだ

相手が満足してくれたなら
それが私の満足になる


そもそも私の旅に具体性など無いのだ


「“知らないもの”を知りたい」


そんな朧気な目的で今までも
そしてこれからも旅を続けたい



時刻19:00。
すっかり暗くなった空を見上げつつ、相変わらず鬱陶しい客引きを躱しながら市内中心部の食堂へ。

昨日に引き続きコシャリ

そしてチキンパスタ
一見辛そうに見えるが、それ程でもなく
トマトを中心とした野菜の旨味を上手に使っている

エジプト料理は美味しい

合計70EGP(約350円)


夕食を終えた私とナスジャは宿に戻る。
彼女は女性専用の相部屋、私は男女混合という実質の男部屋だ。

いつもの様にバックパックから荷物を取り出し、シャワーを浴びる準備をしていると、隣のベッドから視線。



ふと見ると、そこには中国人の若者

いや子供だ

ニコニコとした笑顔で私を見つめている

私は「Hi」と軽く挨拶を交わし
シャワールームへ向かった



その後の事など当然
知る由もなく



2023年3月から世界中を旅して周り、その時の出来事や感じた事を極力リアルタイムで綴っています。 なので今後どうなるかは私にもわかりません。 その様子を楽しんで頂けましたら幸いです。 サポートは旅の活動費にありがたく使用させて頂きます。 もし良ければ、宜しくお願いいたします。