下界を眺める仏陀

2023/6/1






暑過ぎる……!!


時刻13:00。

3時間も外にいたら頭痛と目眩がしてくる。
なので、こまめに涼しいコンビニで体を休め、水を買う。
そしてフリーレンタルの自転車で移動。

その繰り返しだ。


なのに、何故か無理をしたくなる。
そういう性分なのだ。


この日は近所の寺院を見て周った(もう寺に慣れたというか、飽きてしまったので割愛)
高台からナーンの街並みを一望出来る場所に向かう。


まぁ、そこも寺院なのだが…。


スマホは熱で画面が真っ黒になるので、こまめに電源を切る。
GoProもバッテリーが高温になり、勝手に電源が落ちる。


そんな中、急斜面のアスファルトを息を切らしつつ車輪を回す。
が、すぐに漕げなくなり、自転車を手で押して歩く。

その横を車やオートバイが次々と通り抜ける。

「頑張れ〜!」

と言わんばかりにクラクションを鳴らして合図されるが、返事をする余裕も無かった。


そして、着いた先は…








303段…!
しかも上に行くにつれ、勾配が急になる…!







仏さん、あなたに慈悲の心は無いのかね…





しかし、ここまで来て登らないわけにはいかない…!

休憩したらもっと辛くなりそうだ。

すぐ行こう…!



道路脇の木に自転車を鍵で括り付け、勢いを頼りに階段を登る。

汗が頭から足までダラダラと流れ落ちる。


誰かに強要されたわけでもないのに、何をそんなに頑張っているのか…。


そんな自問が頭をよぎるが

「なんか良いものがあるかもしれない」

そんな期待をせずにいられないのだ。



言ってしまえば今回の世界一周だって、そういう事になる。

五感に響くものを経験したいのだ。

あわよくば第六感も養いたい…
勘が悪過ぎる…



ゼェゼェと息を吐き、辿り着いた景色は






下界を眺める仏陀
街を見守っている様にも見える



1487年建立
改修もされているが
当時を想像できる佇まいに見入ってしまう



それはそうとして…





水…!




水を…!



軽い脱水症状で頭が痛い…。


寺院には大抵、売店があるのを知っていたので探すと、やはり発見。


500mlの水を一気に飲み干す。


しばらく縁石に腰掛け休んでいると、一台のトラックがやって来た。


荷台には数人の僧侶が乗っている。
袈裟を身に纏った、皆10代らしき子供だ。


何をするのかと思って見ていたら
荷台から水のペットボトルのパックを下ろし、バケツリレーで運び出した。


「へーーイ!」


「フォーーゥ!」



すごく楽しそうだ。


僧侶はもっと落ち着いているのかと思ったが、よくいる年頃の子供然としていて微笑ましい。


一通り堪能した後、階段下まで戻り、自転車で坂を下る。

行きの辛さが嘘の様に、帰りは簡単で早い。


時刻15:30。

もう少し辺りを見て周ろうかと思ったが、突然ゴロゴロと音が鳴り、雲行きが怪しくなってきた。

スコールだ。
タイに来て何度か経験しているが、真っ青に晴れていても、本当にいきなりやってくる。


朝から何も食べていなかったので路上でチキンを買い、自転車を漕ぎながら食べつつ、急いで宿に戻った。

2023年3月から世界中を旅して周り、その時の出来事や感じた事を極力リアルタイムで綴っています。 なので今後どうなるかは私にもわかりません。 その様子を楽しんで頂けましたら幸いです。 サポートは旅の活動費にありがたく使用させて頂きます。 もし良ければ、宜しくお願いいたします。