シーク教の総本山
2023/10/15(前半)
アムリトサル2日目。
昨日は寝るだけだったので、今日が実質初日だ。
時刻13:00。
たっぷり休んで、散策開始。
ゴミ、瓦礫、野犬、止まないクラクション、立ち込める小便の臭い…。
今のところはまぁ“よくあるインド”という印象。
違いはというと、シーク教徒が多い事か。
シーク教は15世紀末、ヒンドゥー教にイスラム教を取り入れて始まる。
カースト制度を否定し
いかなる階級や職業、国籍、宗教も平等に
という教えのようだ
“頭にターバンを巻いた、長い髭の人達”
というと想像しやすいかも知れないが、このシーク教徒の人口は僅か約2%。
なのでインド人=ターバンという認識は少しズレている。
それでも2,400万人という数字は世界で5番目に多さらしく、その彼らが建てた街が此処、アムリトサルなのである。
歩くこと15分。
シーク教の総本山が見えてきた
ハリマンディル・サーヒブ
通称、黄金寺院だ
そして、いよいよ黄金寺院の中へ。
って…えっ……?
もしかして…
アレに並ぶの…!?
思えば、今は日曜の真っ昼間。
一番混み合う時に来てしまったのかも知れない…。
だが、ここまで来て黄金寺院に入らないという選択肢は無い。
意を決し大行列、いや大渋滞の中へ突入…!
まるで東京、朝の通勤ラッシュそのものだ。
身動きも取れず、もはや脱出すら不可能。
管理人らしきシーク教徒が、苦しむ人に水を渡して周っている。
ナイスな配慮だ。
こんな状況で数時間も立っていたら、脱水、貧血を起こす者が現れても不思議ではない。
ただ幸いにも、此処は神聖な場所だからか、並ぶ人のマナーはわりと良い。
押したり割り込んだり等はほとんど無く(というか、割り込む隙間も無いのだが…)荷物を盗まれる気配も無い。
それでも手でしっかりガードしているが。
しかし時々、強引に突破して進む人達が。
どうやら小さい子連れは優先して通す事になっているようだ。
これもシーク教の教えなのか。
それはわからないが、たしかにこの状況で子供がずっと並んでいたら危険だ。
とはいえ…
そもそも
この大渋滞の中に子供連れてくんなよ…
シーク教徒ならわかる。
むしろ彼らが優先されないのは、それこそシーク教のいう“平等”に基づくものなのだろうが、なんだか少し申し訳ない気持ちになってしまう。
にも関わらず、明らかに信者ではない観光客の子連れが、グイグイと人混みを掻き分けて進んで行く。
子供は良いが、親の気持ちは理解に苦しむ。
まぁヒンドゥー教徒らしいと言われたら、それは納得してしまいそうだが…。
ここからは撮影禁止。
ただひたすら、黙って前を見つめる。
状況に似つかわしくない、穏やかな音楽が鳴り続ける。
おそらく、人の少ない静かな朝夜に聴くと神聖さを感じるのだろう。
しかし今、そんな余裕は無い。
そして、並び始めて3時間半
ようやく最前列へ…!
正直
感動は薄い…
そりゃそうだ、もう何時間も前から既に本殿は見えているのだから…。
苦労して耐え、進み、ようやく辿り着き、そうして開けた視界に燦然と姿を現す、黄金色の寺院…!
とはならないのだ
もうさっきからずーーっと見えている
ただ
やりきった、という達成感はあった
ちなみに
本殿内部は音楽を演奏するシーク教徒が3人
そして
何やら尊い経典が置かれていたらしいのだが
疲れ切っていたので気付かず
早々に脱出
これで終わってはいけないだろう…
もう一度
改めて来ることにしよう
もう列には並ばないが…
訪問から約4時間
陽は既に沈みかけていた
2023年3月から世界中を旅して周り、その時の出来事や感じた事を極力リアルタイムで綴っています。 なので今後どうなるかは私にもわかりません。 その様子を楽しんで頂けましたら幸いです。 サポートは旅の活動費にありがたく使用させて頂きます。 もし良ければ、宜しくお願いいたします。