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幾何学ブックシェルフ

知っているのは君のことでだれかじゃない

だれかも強く 君を待つよ
炎の影が大きく壁に映る 楽しげな君が動く
こんな夜だろうと引き返さない
踊る どんなレコードなら君の気に入るの
ガラスはきれいなのに 神経質な手つきを見て君は冷たく笑う
知っているのは君のことじゃない
長いあいだ 数字を数えつづける
君の夢がかなえられていてほしいと思う
こんな部屋の風景なら
SALEで正方形のブックデザイン
君がどこかの店で 手に取り 少し
接点なんてその程度かな
ドアを出て 左右に伸びる起伏の大きな坂道を眺める きれいな町で
天気のいい日が多い
電器店の磨かれた窓には大小のテレビが同じチャンネルを流し続けている
どこかずれて
君はニュースを見過ごしながら ストローでヨーグルトを飲んでる
電器店 フープは裏でチャンネルを操作するよ 古いはたきを持っている
部屋のテレビを消して グラスのような目の光り
炎はきれいで 部屋の壁を揺らす水槽みたいだ
知っているのは君のことでだれかじゃない
忘れてしまうことでもいいからと言ったでしょう
辞書の青まで深く潜る
「2月のマリンスノーは毎年僕を襲う」
そんなタイトルでもないけど
こちらとしても レコードのデザインは気になるのだ

「青まで深く潜る」>Deep blue. マリンスノーが降る深海。コンピュータやサメ映画のことではない。そういえばその2つはどちらも、高い知能を特徴としている。