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一途な女は選ばれない

「脱出おひとり島」シーズン2が完結した。

シーズン1で女性メンバーのソン・ジアが担っていた魔性ポジションは
思わせぶりなモテ男ジニョンに引き継がれたが、
男性人気は音大生のシン・スルギに集中する形で
ドラマ的なメインは彼女が誰を選ぶかのシーズンだった。

*以下、ネタバレあり

いまいち展開が盛り上がらなかった理由は
男性陣の本命が変わらなかったことにある。

8日間で第一印象から最終決定に至るまで
誰が誰に思いを向けていたのか
メンバーたちの心の変化をまとめてみた。

マッチング成立までの経緯と最終結果

記した名前はいずれもメンバーが自らの意志で選んだ相手のみであり、
グレー部分は相手から一方的に選ばれた場合、
もしくはその人がそもそも不在または選択権がなかった回とする。

まず、一日目の夜に行われた第一印象の投票結果で
マッチングが成功したのは次の二組である。

 ナディーン × ドンウ
 セジョン × ユンジェ

第一印象のマッチング結果

この段階ではまだ好意のベクトルが男女ともに分散しており
ドラマの行方にも様々な可能性が残されていた。

次に、一回目の天国島行きでマッチングが成功したのも二組だったが
その組み合わせには第一印象のマッチングから変化が見られた。 
 
 スルギ × ドンウ  
 ソウン × ユンジェ

一回目:天国島行きのマッチング結果

男性陣はドンウが第一印象のナディーンからスルギに
ユンジェが第一印象のセジョンからソウンに
それぞれ相手を変えている。
女性陣もソウンが第一印象のジョンウからユンジェに変えており
第一印象と同じ選択をしたのはスルギだけだった。

そしてこの一回目の天国島行きのタイミング、
二日目という早い段階で男性陣のとった選択が
結果的に勝負の鍵を握ることになったのである。

このとき女性一番人気のスルギを選んだ男性は
ジョンウ、ドンウ、ハンビンの三人。
この三人は、最終決定でもスルギを選んでいる。

二回目の天国島行きでは、男性新メンバーのジニョンが加わるが、
ジニョンにとって一回目の天国島行きとなったこのマッチングで
彼はスルギを選ぶ。

二回目:天国島行きのマッチング結果

ちなみに同じ日の昼、途中参加のジニョンにとって第一印象マッチングにあたる
食事デートでも彼はすでにスルギを選んでいた。

三回目の天国島行きでは、女性新メンバーのミンジと男性新メンバーのセジュンが
新たに参加。
新メンバーのみに選択権が与えられ
ミンジがジニョンを、セジュンがソイを、
それぞれ選ぶ。
途中参加のセジュンにとっては、実質的にこれが
一回目の天国島行きである。

四回目の天国島行きでは、ゲームに勝ったソイ、ミンジ、ナディーンのみが
選択権を獲得し、ミンジは前回に続きジニョンを選ぶ。
だがソイがハンビンを、ナディーンがユンジェを選んだのは
本命の相手がいないor選べないがための消去法的な選択だった。
(この時点でソイは事実上ユンジェに失恋している)

最後となる五回目の天国島行きでは
ゲーム勝者のジョンウ、ユンジェ、ジニョンのみが勝った順に相手を選び
一位のジョンウがスルギを、三位のユンジェがソウンを、
第一希望のスルギをジョンウにとられた二位のジニョンはナディーンを選ぶ。

ここでシーズン1を思い出して欲しい。
シーズン1の主役はジヨンへの一途な思いを貫いたセフンだった。
セフンは第一印象のマッチングこそ別の女性を選んだが、
その後は一回目の天国島行きを決めるマッチングからジヨン一筋で、
ジヨンがどんなに自分に興味を示さずつれない態度をとっても
二人の間の空気があからさまに気まずくなってもジヨンを指名し続け
最終的にはジヨンが彼の思いを受け入れてマッチングが成立した。

シーズン1で男性人気を一身に集める魔性ぶりを発揮したソン・ジアは
最終的にヒョンジュンとマッチング成立するが、
ヒョンジュンは一回目の天国島行きでジアを選んでおり
その後は他の女性には興味を示さず
敢えてマッチングを避けていた。
(それによって彼は恋愛リアリティショーにおいて
完全に無害なつまらない存在だった)

シーズン2ではユンジェがこれと同じ行動パターンをとっていて
二回目の天国島でナディーンを指名したのも
ソウン以外の女性とマッチングが成立するのを避けたフェイクチョイスである。
しかも彼に粘り強く思いを傾けるソイのアプローチに対しては
露骨に迷惑そうな顔と態度を隠さなかった。
正直といえば正直だが、決して誠実な対応には見えず、
自分の彼女や妻にだけ優しいタイプと思われる。

あらためてシーズン2のマッチング経緯と最終決定を見てみよう。

マッチング成立までの経緯と最終結果

この結果が示すものとは何か?

男性陣は6人全員が、一回目の天国島行きと同じ女性を選んでいるのである。
(太枠内が各メンバーにとっての一回目の天国島行きとなる)
最後までマッチング成立の可能性を残していた
ジョンウとジニョン(→スルギ)だけでなく、
明らかに見込みのなかったドンウ(→スルギ)とハンビン(→ソウン)まで
負け戦覚悟で玉砕しているのだ。

それに比べ、一回目の天国島行きと同じ男性とマッチングが成立した女性は
ソウン一人である。
ソウン以外に最終的にマッチング成立したスルギとソイは途中で相手を変えた。

女性陣ではソイとミンジが一途キャラだったが、
いずれも当初の本命男性とはマッチングが成立していない。
一方の男性陣は、シーズン1のセフンを彷彿とさせる一途キャラで
第一印象から最終決定までスルギ推しに徹したジョンウをはじめ
6人中3人が一回目の天国島行きで選んだ女性とマッチング成功している。

その結果、2シーズンを通してこの番組が証明したのは、
一途に思いを貫いて報われるのは男性だけであり、
女性が同じことをしても裏目に出る確率が高い、ということだ。

女性は相手の好意を受け入れる傾向が強いが、
男性は自分が誰を好きかというエゴが勝る。
思いが届けば純愛でも、届かなければ執念深いサイコパス認定されてしまう。

残念だが少女漫画の幻想は今すぐ捨てよう。

女性は脈のない恋愛にできるだけ早く見切りをつけるに限る。


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