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陶芸家に聞く、人気の器トレンド|形から入る料理の楽しさ

2020年2月8日(土)、テーブルウェア・フェスティバル2020のアリーナ特設ステージに登壇させて頂きました。

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3年目の登壇となる今年は「うつわのつくり手さんがどのような想いで器を創っているのか」を伝えたくて、Komerco−コメルコ−にもご出店頂いていて、テーブルウェア・フェスティバルにもご出展されている古谷製陶所 古谷浩一さんと対談しました。

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古谷製陶所は滋賀県・信楽にあります。
NHKの連続テレビ小説「スカーレット」の舞台も信楽ですね。ドラマの影響で、信楽の人出も増えているそうです。

古谷さんは「普段の食卓で日常的に使ってほしい」という想いで、作陶されています。
「朝食のワンプレートに使ってほしいな」と思い八角プレートというお皿をつくったり、「カレーにちょうどよい器を創ろう」と思い深鉢をつくったり、料理をイメージしながら器を創っているそうです。

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<photo: by Komerco 古谷製陶所:八角プレート>

昔は白い器がよく売れたけど、最近は黒っぽい器が人気

古谷さんのお父様の代は「粉引」という白い器を主流に作陶されていたそうです。古谷さんはいろんな色味の器を作陶してみたけれど「以前は売れなかった」のだとか。

でも最近は家庭料理でつくられる料理の変化や、料理の写真を撮って楽しむ方が増えたからか、白以外の色…特に黒っぽい器が人気のようです。

私も器を買い始めた頃は白い器を選びがちでしたが、青い器ブームがあったり、織部の緑ブームがあったり、赤絵ブームがありながら、最近は黒っぽい器に目が行くようになった気がします。
(器の色のマイブームってありませんか…?)

なんとなく黒っぽい器って、料理そのものに色味が少なくても映えるというか、料理や食卓が引き締まり、高級感が出るのが嬉しい。
そんなところが、黒っぽい器が人気の理由なんでしょうね。

セット買いから個別で買って、果敢に組み合わせに挑戦!

一昔前は「5枚一組」のセット買いをするイメージだった器ですが、最近は気に入った器を1枚から買う方も増えてきていますよね。

私も器にハマった当時は気に入った器を「5枚一組」で買っていましたが、買うたびに5倍のスピードで増える事に辟易し「2枚単位」で買うようになりました。古谷さんも「以前は引き出物や複数枚セットで売れていたけど、最近は気に入った器を1枚から買う人も増えてきた」と言います。

そして、近頃は陶器磁器・和食器洋食器関わらず、さまざまな器を組み合わせて食卓を楽しむ方が増えてきました。

古谷さんもよく、インスタグラムでご自身の器がどう使われているのか見ることがあるそうですが、自身の想像を超えるスタイリングを発見したり、そのスタイリングで次の作陶のインスピレーションを得たりするそうです。

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<photo: インスタグラム内、#古谷浩一にもたくさんの素敵な写真が!>

中でも、古谷さんに教えて頂いた @ma_me_jam さんのスタイリングが私の好みストライクで釘付けに!

古谷さんの錆釉(濃い茶色)の八角プレートにスープボウルと、骨董の和食器を組み合わせたスタリング。
どちらかというと、古谷さんの器は毎日使いのカジュアルなイメージを持っていたのですが、とてもシックなスタイリングになっていてとても素敵。

固定観念を持たずに、どんどん組み合わせて器の可能性を引き出していきたいな、と思いました。

モチベーションの循環が起きる、幸せサイクル

対談終了後、テーブルウェア・フェスティバルの古谷さんのブースへ寄ってみると…

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ものすごい人だかり・・・!
古谷製陶所の人気ぶりがわかります。

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古谷さんのディスプレイは料理写真も一緒に飾られていて、料理を盛った時のイメージがしやすく楽しいです。

そして私は、

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まんまと錆釉の八角プレートとスープボウルを買いました(笑)。

古谷さんが2〜3年の試行錯誤を経て完成させた錆釉の話や、ワンプレートを創った想いを聞いたり、古谷さん自身が驚いたというスタイリングを教えていただいたら、私も自身の食卓で試したくなってしまいました。

器のつくり手が料理のつくり手の料理のモチベーションを生み出し、
料理のつくり手も器のつくり手にインスピレーションを与えて制作のモチベーションを生み出し、
「料理と器」を通じてモチベーションを享受しあい、循環している。

まさにこれがKomerco−コメルコ−でも起こしたい「幸せな循環」。
今回の対談を終えて、改めて使命を強く感じたのでした。


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