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【筋肉の専門家視点】股関節の違和感/痛み→変形性股関節症と診断されるまでの経過

筋肉チューニングサロンUROOM国立立川店です。

この記事は、
・変形性股関節症と診断された方
・股関節の痛みや違和感がある(場所が特定できない場合もある)けれど整形外科では異常がないと言われた方


に読んでいただきたい記事です。


痛みの原因は骨ではない

筋肉チューニングを行うセラピストは、その名の通り骨ではなく「筋肉」のを見ています。筋肉の単なる柔らかさだけではなく筋肉の質や感触の変化を手で触って感じています。
私たちは、内臓痛・感染症以外の慢性的な体の痛みは「筋肉由来」だと考えています。

つまり、骨や神経が痛みを起こすわけではないのです。まず疑うべきは筋肉です。


変形性股関節症の進行期の分類

変形性股関節症の進行は4段階に分かれて表現されています。
(参考:https://physioapproach.com/hip-osteoarthritis-classification.html)

ステージⅠ(前関節症期)

関節軟骨が保たれている状態:
臼蓋形成不全など形状の異常があったとしても、関節軟骨のすりへりは見られない。レントゲン画像上は、寛骨臼と大腿骨董の間の隙間の広さも正常に保たれていて、痛みもほとんど感じない状態(この時期に受診する人は少ない。あるいは違和感・クリック音・不安定感を感じて受診しても、レントゲン上問題ないと判断され、経過観察になることも多い段階。
ステージⅡ(初期)

関節軟骨が少しすり減っている状態(関節の隙間が狭くなる):
関節軟骨が少しすり減ってくる。レントゲン上は、関節の間隙が部分的に狭くなったり、(レントゲン上は写らないが)関節軟骨の凹凸が生じる、体重がかかっている部分が変性して硬くなるなどの変化が見られる。この段階になると、個人差はあるが、対象(多少の?)の痛みを感じるようになる。
ステージⅢ(進行期)
関節軟骨が一段とすり減っている状態(股関節に強い痛みを感じる):
関節軟骨がさらにすり減るため、レントゲン上の寛骨臼と大腿骨董の隙間もさらに狭くなり、関節軟骨の下にある骨の一部が、直接ぶつかり合うようになる。
そのような関節の移乗(異常?)を補修しようとして寛骨臼や大腿骨頭に「骨棘」と呼ばれる棘状の骨が生じる。
ステージⅣ(末期)
変形性股関節症の最終段階(隙間がほぼなくなる):
関節軟骨がほとんど消失し、関節の隙間も無くなり、骨同士が直接ぶつかりあってしまう。
骨棘や骨嚢胞も顕著になる。この段階では強い痛みを感じる方が多いが、変形が進行して関節が動かなくなると、骨が安定して、逆に痛みを感じにくくなることもある。

整形外科では、ステージⅣの末期には手術が勧められますが、Ⅲの進行期でも痛みが強いと手術を選択する場合があります。
ただ、人工関節を入れる場合(人工関節置換術)、その人工関節自体にも寿命があるため(おおよそ20年)、なるべく入れ替えが不要になるよう痛みと付き合いながら(誤魔化しながら)なるべく高齢になるまで待つ、という選択肢もするようです。

ただ、その「待つ」間に行う治療が「鎮痛薬」「湿布」「筋トレ」であることが多く、筋肉に目を向けている私たちとしては逆効果なことばかりを選択しており、不要な手術が増えてしまっていると感じます。


「変形性股関節症の進行度」と「筋肉の硬さ」を結びつけて考えてみると

骨は筋肉についています。骨が動くには筋肉が伸び縮みする必要があります。

しかし、負荷がかかりすぎると縮んだまま筋肉が伸びなくなってしまうことがあります。シートベルトのようにガチっとロックする現象です。少しくらいロックした筋肉があっても、関節を動かす際に苦手な方向は無意識に避けるため、日常生活では違和感や痛みが出ません。
ただ、これに気づかないまま、筋肉を硬くする生活習慣ばかりが続くと、もちろん硬い筋肉(筋拘縮)が蓄積します。

硬くなった筋肉は周囲の血流を阻害します。筋肉の痛みは「筋肉痛」のような痛みだけだと思っている方が多いので(私もそうでした)、筋肉だと思わないのです。

ステージⅠ(前関節症期)/ステージⅡ(初期)

違和感や一時的な痛みがある時期です。
しかし、痛い箇所はある程度決まっているようですが、その場所が日によって、動きによって行ったり来たりします。新しい場所が痛み出したり、と痛みが変化します。また、その痛みは表面ではなく「奥」に感じる方が多いようです。

・靴下を履けない、足の爪が切れない
→足を外にひらけばなんとか履ける場合もあります。お尻の筋肉が硬くなっています。

・朝起きた時に違和感や痛みがある
→動き出すと気にならなくなったりします。

・正座ができない
→あぐらが楽だったり、崩した正座だったらできる場合もあります。特に大腿の前側と膝まわりが硬くなっています。

・階段の昇り降りができない
→手すりを使えばできたりします。それもできなくなる場合があります。

・ちょっとした段差や地面が凸凹したところで痛みが出る
→フローリングだったら平気ですが、アスファルトだと痛みが出るという場合があります。

ステージⅢ(進行期)/ステージⅣ(末期)

筋肉が硬くなることで骨がすり減る、形が変わる、それはどういうことなのでしょうか?
筋肉が硬くなると「伸ばしても伸びず」「短く」なります。股関節は球体の関節です。本来、軟骨があることで股関節にかかる体重による負荷や地面からの衝撃を和らげてくれています。たくさんの筋肉が股関節周りについていますが、それらの筋肉が硬くなると股関節に「えぐるような圧」がかかるようになります。

圧がかかりつづけることで軟骨がすり減るだけでなく、骨もまた関節をうまく働かせるために骨の棘が出てきます。
骨が変形してしまった場合筋肉チューニングでは戻せませんが、筋肉が柔らかくなることで使える筋肉が増え負担が減る場合もあります。
また、手術後の方でも、筋肉が柔らかくなっているわけではないため反対側の股関節が痛んだり、腰や膝といた別の場所に痛みが出てくる場合があります。そのような場合も筋肉を緩めることで楽になります。

※変形性股関節症の進行期以上の診断を受けた方は、筋肉チューニングでの施術をされる場合、経験のあるセラピストを薦めております。お電話でご相談ください。

痛みの原因がわかるとストレッチ、筋トレは逆効果だとわかる

これまでお伝えした通り、骨の変形は筋肉の硬さによって起こります。
臼蓋形成不全といった生まれつき関節のはまりが浅く圧がかかりやすい方もいるでしょう。ただ、筋肉を柔らかくすることで負担が減るのでリスクは減らせますし、周囲の筋肉が使えるようになるため痛みも減ります。

整形外科ではレントゲンやMRIを撮って異常がなければ「骨に異常はない」として痛み止めを勧められたり、ストレッチや筋トレを勧められます。

硬くなっている筋肉は、本来体を守るためにそのような仕組みがあるため、無理にストレッチで伸ばすと硬いところは余計に硬くなります。
筋トレも同様に負荷がかかることで筋肉を硬くしてしまいます。
伸び縮みできるようにすることこそが「筋肉が機能する(使える)」ということですから、余計に筋肉が硬くなる筋トレはしないで欲しいですし、使えていない筋肉を増やすことが大事なのです。

加齢のせいにして諦めないで欲しいですし、手術が必要になる前にできることがあります。

ぜひ、お気軽にご相談くださいね。

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