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写真新世紀の終了、そしてYoutubeへ。

株式会社アマナから刊行されている定期刊行物(雑誌)「IMA」のWeb版という位置付けで写真の情報を発信しているIMA ONLINEに投稿された記事に衝撃的な一節があった。

な・・・なんだって!?

新世紀って今期で終わりなの!?

記事を読むと、30周年(第44回公募)を節目として新世紀は今回の公募で終了するとの事。

僕は写真家ではないし、せっせと作品を作って賞を狙うような事は無いのだけれど、毎回グランプリの発表ではどんな写真家が出てくるのかと心を躍らせていた。

そして歴代の受賞者の作品のファンになって、多くの時間を楽しませて頂いた思い出がある。

あぁ、こうやって一つの時代が終わるんだなぁ〜となんだか感慨深い想いに至る。

学生の頃、周りには新世紀を狙う同級生も少なくなかった。

ただ切ない。

けれど、文化というものはこうやって産まれては消えての繰り返しの中で発展し続けてきたのだろうと納得するしかない。

考えてみれば、世の中にはギャラリーが無くなることもあるし、好きな写真家ご本人が亡くなることもある。

昔の話でいえば、VIVOやProvokeの活動も僕が生まれる頃にはもう既になく、歴史上の話となっていた。

写真評論家の飯沢耕太郎氏が創刊した雑誌『deja-vu』も今は無い。

僕が現役で購読できた雑誌のPhoto GRAPHICAや、MOOKの写真画報だっていつの間にか姿を消した。(大人の事情だという噂は聞いたが)

面白いのは、それでも作品は世に残り続けるということ。

そしてメディアは姿を変える。

日本の写真雑誌はとっても魅力的で、『deja-vu』や『IMA』なんかよく似ていて、どちらもとても優れているんだけれど、写真作品を掲載しているが紙や印刷もきちんとデザインされていて、雑誌といえども、もう写真集のクオリティを呈していたりする。

だから中古でも人気が高いみたい。

紙の質感、上質な印刷を味わえることって結構、贅沢なことだと思うんだけど、最近面白いなと思っているのはYoutubeで情報を集めること。

まず紹介したいのはこちら、恵比寿にある写真集食堂「めぐたま」のYoutubeチャンネルからライブ配信で飯沢さんが写真集の紹介をしてくれている動画。

恵比寿駅から緩やかな坂を登って脇道に入るとある、この写真集食堂「めぐたま」。

僕も何度か行ったことがあるんだけれど、とっても身体に良くて美味しい料理が楽しめるのと、飯沢さんの貯蔵書の膨大な数の写真集が自由に読める場所で、写真のファンにとって最高の場所。

とってもおすすめ。

恵比寿には写真集やアート系の本が揃うNADiffや、ガーデンプレイスの方に東京都写真美術館(通称:都写美)があるので、東京に住んでた頃は合わせてよく行ってたなぁ。

喫茶店「ヴェルデ」で深入りのマンデリンとケーキで休憩して、その坂をえっちらおっちら登って代官山まで登って蔦屋書店とかも行ったなぁ。

…話が外れてしまったのですが、

この飯沢さんの「写真集千夜一夜」日本の写真表現の歴史を学ぶのにとっても良いです。

とりわけ本を読むのが苦手な人はラジオ感覚でこの動画を見ていれば、主要な日本の写真表現を知ることができる、飯沢さんのリアルな体験話を交えてね。

取材に動くことや人間関係を作り上げる事って結構大変な事で、そんな苦労を経て得た情報を無料で公開して下さっているんだもの、飯沢さんはなんて親切なんだろうね。

だからかなり価値のある動画になっているように思う、Youtube時代万歳。

あと、写真家のアレック・ソスが写真を紹介していたり。

覚えておくべき写真として、Pedro Meyer'sとLarry Sultan'sのアートワークについて紹介している。

英語なんでちょっと分かりづらいかも知れませんが、ソスの関心がどこあるのかは非常に興味深いポイントなので。

僕も英語の翻訳を頑張る…。笑

Youtubeといえば、新しい機材のレクチャーとか、お洒落な映像みたいなのばかりかと思っていたけれど、案外良い情報が落ちてたりするので、もし興味があれば探してみて下さいな。

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