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ぶつかりおじさん被害者の会

「ぶつかりおじさん」をご存じだろうか。
主に電車や駅などで不注意に、あるいは故意にぶつかってくるおっさんのことである。
この種の迷惑な輩は昔からいたが、そのポップなワードの出現によって、今まで意識的でなかった層にも認知されつつあるようだ。

もちろん、人混みでぶつかってくるのはおっさんだけでなく、おばさんや若い女もいるだろう。
けれども、一般に女性の場合、人混みで誰かにぶつかった際のリスクが男性よりも高いから、故意にぶつかってくるようなことはまずありえない。

逆に、おっさんの場合は腕っぷしの強い男を避けてさえいれば、基本的に他人にぶつかったとしてもどうということはない。
だから、中には故意にぶつかってストレスを発散しようとする輩もいるのだ。
実際、俺もぶつかりおじさんの被害者のひとりである。

ちなみに、ぶつかりおじさんには亜種もいて、それを俺は「おしくらまんじゅうおじさん」と呼んでいる。
おしくらまんじゅうおじさんは、満員電車の中で不可抗力により肘などが触れてしまった場合にぐいっと押し返してくるやつで、たいていは40代以上の、いい年をしたおっさんである。

首都圏の通勤ラッシュ時によく「お客様トラブルが発生した」というアナウンスを耳にするが、ああいうのはたいていぶつかりおじさんか、おしくらまんじゅうおじさんが原因ではないかと思う。

しかもやつらは、明らかに弱そうな人を狙っている。
女性や、俺のように貧弱な男を標的にしているのだ。
仮に俺が相撲取りのように筋骨隆々とした巨漢だったら、あいつらは決してぶつかってこないだろう。
まったく、迷惑なうえに卑怯な連中である。

俺が朝青龍だったらぶつかって
こなかったろうこのおっさんは

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