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外したくない読書

私は割と効率厨である。ただ、何でもかんでも無駄が嫌いというのではない。遠回りをしなければ得られないこともあるから。

私が嫌なのは、これが得られるかもしれないと期待して時間と労力を注いだ結果、あれ、得られた結果はこれなの??という期待外れ感。これが嫌なのだ。

読書の場合、実用書は大体判断ができる。どのくらいのレベルで、買って良いか無駄になるかが分かる。背伸びして、読める日を楽しみにするのもまた良し。


だが小説となると判断が難しい。面白さと一口で言っても、方向性、緩急、語り口、キャラクター、世界観、好悪の基準はそれはもう何でもありだからだ。

いいもの読んだな!という充実感は、どこから来るのか。

・価値のあるテーマについてじっくり考えさせてくれたという満足感
・著者もそれについて熟考し、謙遜に提示してくれていることに対する感謝
・自分の思考や生活になんらかの有意義な変化を与えてくれそうだという高揚感
・おやつを食べた時のような「消費」ではなく、一緒に旅をしたかのような「経験」の共有
・没入感

かな。

だから、似た話であっても小説のジャンル分けは難しいのだ。同じジャンルでも、好きなものもあれば全く価値を感じないものもある。

その点、著者にハマれば、だいたい外れることはなくなる。ただ、そういう著者を見つけるのはなかなか難しい。
外れた時のガッカリ感が強いので、外したくないと思っているとどんどん新しいものに手を出しにくくなる。

私は速読乱読派ではなく精読熟読派だ。一点突破全面展開で深めていくのが好き。
なので、好きな小説を何故に好きであるかをしっかりと言語化してくれている文章を読むのが好きだ。それは、大変よき道案内になるから。

#読書 #小説 #著者

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