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会話が途切れる時

会話が途切れた時の雰囲気が結構気になる性質(たち)である。ベストなのは、こちらもあちらも同じくらいの押し引きであること。無言になっても、気詰まりにならない関係が良い。

踏み込む速度と踏み込む深さが同じ感じの人だと気が合うなと思う。

踏み込まれるのが速すぎると拒絶したくなる。良い大人はそのあたりの塩梅が分かっていて、当たり障りのないところをくるくる回りながら時々すすっと懐に入ってくる。こちらも「お(?)」と思いながら、でも踏み込んでくれたことを心地よく感じる。「ここまで質問してもいいかな。」「あ、そういう感じね」と。

踏み込み過ぎは良くない。関係性にふさわしくない秘密を載せてしまうと、関係が壊れてしまうから。さりとて踏み込まない会話はそれはそれで手持無沙汰で退屈だ。

たまに、お互いに踏み込んで少しだけ盛り上がったものの、途中で私の興味が失せてしまい、「えーこんなに扉を開けるんじゃなかったなぁ」と退屈を感じて後悔することがある。そういうとき、どうやって切り上げるのが上手いやり方なのだろう。急に愛想笑いのほっぺたが疲れてくる。割と強く「あ、もう一人になりたい」と思ってしまうので、顔に出ている気がする。申し訳ないし、失礼この上ないのだけれど、仕方がない。昔からそんな感じだ。

やっぱりね、無言でも気詰まりにならない人が一番だ。

どういう人だとそうなるのか。いわゆる相性というやつなのだと思う。自由気ままに屈託なく過ごしていて、それでいて失礼でない人。「育ちのいい自由人」みたいな人と相性がいいかもしれない。相手が自由でいてくれるとこちらも自由でいられる。その上で品があると、一緒にいて気持ちが良い。それでお互いに関心を持っているとなると、会話は楽しい。……そりゃそうか。



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