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事業収益は予想以上に堅調で、23年通期見通し上方修正。ジョンソン・エンド・ジョンソン決算発表(2023年1~3月期)

「バンドエイド®」や「リステリン®」、化粧品の「ドクターシーラボ」など、日本でもよく知られた製品を展開しているのがジョンソン・エンド・ジョンソン(以下、JNJ)です。

私たちは、冒頭に挙げた消費者向けの製品によって、JNJという企業を認知していますが、実は、医薬品から医療機器まで手がける(むしろこちらがメイン)世界でもトップクラスのヘルスケア企業です。

一般にヘルスケア企業は、景気動向に左右されにくい業種で相対的に業績が安定していることが多く、また株式市場でも、急激な上昇が少ない一方で、下げ相場にも耐久性があるディフェンシブ銘柄として注目されることが少なくありません。

業績の安定成長を示しているのが、連続増配の指標です。
アメリカには毎年配当を増やしていく企業が多く、50年以上、毎年増配を続けている企業が40社以上あります。
JNJもその中の一つで、今年で連続増配61年となる超安定成長企業です。

そんなJNJが、4月18日に2023年1~3月期の四半期決算を発表しました。

安定の増収でも赤字計上

決算の概要は以下の通りです。

(100万ドル)     売上高   純利益  1株当たり利益
 2022年 1~ 3月期   23,426    5,149     2.67㌦
 2022年 4~ 6月期   24,020    4,814     2.59㌦
 
2022年 7~ 9月期   23,791    4,458     2.55㌦ 
2022年10~12月期  23,706    3,520     2.35㌦
 2023年 1~ 3月期  24,746     ▲68     2.68㌦

売上高は247億4600万㌦で、前年の同じ期と比べ5.6%増加しました。
事前のアナリスト予想(Yahoo Finance)の平均が236億7000万㌦でしたので、予想をかなり上回りました。
直近5四半期の売上高は240億㌦前後で安定しています。

純利益に関しては、今回、わずかながら赤字を計上しています。
しかし、1株当たり利益(EPS)は2.68㌦と前年同期ほぼ横ばいで、通常のレベルで推移しています。ここでのEPSは、特殊要因を除いた Non‐GAAPベースですので、一時的に大きなマイナス要因があったということになります。

では、売上高の詳しい内訳をみていきましょう。

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