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私の好きな展覧会(野外編)ーArtとTalk⑩ー

こんにちは、宇佐江です。皆様いかがお過ごしでしょうか?

私は、未だかつて経験したことのない3週間休館日なし、毎週金・土曜は夜8時まで延長開館という怒涛の企画展を乗り切り、続いて福井県立美術館さんでの久々のイベントも昨日無事終了し、ほっとするとともに現在少し気が抜けています。(笑)
ネコ似顔絵会in福井に関する記事はまた後日配信予定ですのでお楽しみに。

さて、少し気分転換をはかりたい今週は。
前回の『ArtとTalk』から少し間が空いてしまいましたが、引き続き“私の好きな美術館(展覧会)”について語る回をお送りします。
今回は、お散歩にぴったりなこの時期ならではの野外アート!
『六甲ミーツ・アート芸術散歩』をご紹介します。

それでは参りましょう~。


六甲ミーツ・アート芸術散歩

野外展示の美術、というと皆様どんなものを想像されますでしょうか?

私の場合これまでぱっと思い浮かぶのは(自分の身近な例を出すと)あいちトリエンナーレのような、“既存の街とアート”を組み合わせたようなイメージが強かったのですが、2018年に訪れたこの『六甲ミーツ・アート芸術散歩』は自然と芸術とのバランスがとても素晴らしく楽しかったので、その時の様子をお話します。

先にご紹介しますと、この『六甲ミーツ・アート芸術散歩』は今年で12回目を迎える、兵庫県神戸市の六甲山で毎年秋に開催される現代アートの展覧会です。
実は今まさに、1年に1度のその開催時期!!
9月11日~11月23日まで『六甲ミーツ・アート芸術散歩2021』が開催中なのです!!!↓


残念ながら今年は行けていないので、今回ご紹介する内容、出品作家・作品等は前回行った2018年の時のものですのでご注意ください。
今年の様子や作品はぜひ、現地でのお楽しみに。
その前に、以下でお話します私の訪れた過去の『六甲ミーツ・アート芸術散歩2018』の様子が皆様のご参考になれば幸いです。


アクセス

京都に住む友人と新大阪で待ち合わせ、阪急電車で六甲道へ。そこからバスに乗り換え、六甲ケーブル下駅から六甲ケーブルに乗って山の上に行きます。

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階段からすでにワクワクする。
六甲山上駅に着きめっちゃ快晴!な外に出ると、早速作品がありました。

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笠井祐輔《動物たちも景色を見ている》注※2018年の出品作品です


始まりからきれいな景色とかわいい作品にテンション上がりっぱなしです。
ちなみに、六甲ミーツ・アート芸術散歩(以下、六甲ミーツ・アート)はほとんどの作品の写真撮影が可能です。


鑑賞券を受け取っていざ、ミーツ・アート!

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会場は有料・無料含め六甲山に点在しています。移動はバスや徒歩など、距離や体力に合わせて自由に選べます。自然のなかを散策しつつ、周遊マップ片手に
「あった!あれだ!」と作品を見つけながらの鑑賞。この「見つけながら」が楽しい。そして、作品近くに設置されたスタンプを押して集めていくのがこれまた楽しいです。


印象的だった作品のご紹介

個人的に今も記憶に残る、2018年の出品作品をいくつかご紹介します。

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大木土木とミツヤ電機《おしゃまなユンボ》注※2018年の出品作品です


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木村剛士《畑になる/人》注※2018年の出品作品です


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久保寛子《やさしい手》注※2018年の出品作品です


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釜本幸治《浮標-淡い寄る辺-》注※2018年の出品作品です

このあたりは大自然のスケールに負けない、圧倒的なサイズと存在感の作品たち。しかし私が驚いたのはそのインパクトよりむしろ、「作品がこの景色にしっくりきている感じ」でした。

「こんな場所にこんなものがある」という違和感が、いい意味で現代アートにおける巨大作品の面白みなのかなと、勝手に私は考えていたのですが、この時六甲山で観たこれらの作品にはその「違和感」が不思議となくて、かといって「公共の場所にあるオブジェ」というおとなしい感じでもなく。

作家さんもきっと現地の環境を充分に考えられ作品を制作されたと思うので、まずはその想像力・構成力の見事さに脱帽ですが、それ以上にやはり「自然」がどんな異物(いい意味で)をも受け止めてくれるが故の安心感なのかなと、漠然と感じました。

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注※2018年の出品作品です

美術家・飯川雄大さんの描かれたキャラクターに一目惚れして撮りまくる。
かわいい…!

ポストカードも買っちゃう。


このほかにも、開発好明さんの《未来郵便局》。
「今回書いたお手紙、1年後にお届けします」という体験型の作品(1年後、確かにこの時私が書いた手紙を受け取ったんだけれど、今現在は家の中で行方不明…)や、オルゴールミュージアムとコラボした日比野克彦(私の勤務先の美術館、館長!)の作品など、見飽きることなくあっというまに日没となりました。


おいしい、昼・夜・朝ごはん。

会場にあるレストランでは色んなランチも楽しめます。

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夜は会場のひとつでもある、グランドホテル 六甲スカイヴィラに宿泊し、そちらで夕食と朝食をいただきました。

夜の山をみつめながらお食事。おいしいだけでなく、落ち着いた雰囲気のお洒落なディナーでした。

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そして翌朝。
明るい陽射しの中でいただく夢のようなモーニング。

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屋外アート鑑賞でちょっと失敗したこと

散策しながら自分のペースでゆる~く楽しめた六甲ミーツ・アートですが、盲点だったのは、「外は夜暗くなる」のを忘れていたこと(笑)。

この年にチラシのメインビジュアルにも使われていた猫の作品が1番観たかったのに、うっかり回る順番を最後に持ってきてしまったばかりに辿り着いた頃には真っ暗でした。。。↓

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花田千絵《ほどけるとき》注※2018年の出品作品です

写真でも真っ暗…。チーン…。。。
翌朝はすぐ移動の予定があり、明るい時間に観られなかったのが唯一心残りでした。

余談ですが、
会場でお土産物屋さんを観ていたとき、
「ん?この人なんか見覚えあるな…?」
と思い、なにやらレトロなブロマイド風の商品を手に取ると、そこに写っていたのはなんと私の高校の美術科の同級生!

「昭和らしさ」をテーマに作家としてアート活動を行っている現在の彼女、後日調べたら、過去の六甲ミーツ・アートに参加されていたようで。思わぬところで同級生の躍進を知った、驚きの再会でありました。


ついでの寄り道にオススメ!六甲山牧場

六甲ミーツ・アートは、あまり慌ただしい鑑賞でなくふつうのペースで全作品を制覇しようと思うと、丸1日以上はかかると思います。(私は11時半~17時半まで散策&鑑賞して、37カ所中30カ所を見終えました)。
出来たら1泊2日くらいで、2日目も少し鑑賞時間を予備として確保できたらベスト。「アートが眠る山に宿泊する」というのも不思議な高揚感があり、ちょっとオツな体験でしたよ。

そして、2日あるならついでにもう1カ所くらい観光したい!という方に私がおススメなのが、六甲山牧場です。

私が六甲山牧場に行ったのは上記の六甲ミーツ・アートとは別の旅行で友人Rと出掛けたのですが、(展示会場のある)六甲ケーブル山上駅からも、六甲摩耶スカイシャトルバスで六甲山牧場に行けます。

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人が歩くエリアを自由に羊さんたちも歩いているのが、たまりません…。

もともと動物園とか牧場は好きですが、この六甲山牧場はこれまで行ったそういう施設の中でも5本の指に入るくらい好きでした。特別珍しい動物が居るだとか具体的な理由はないのですが、空気感でしょうか…?このとき撮った写真を家に帰って見返してみると、そこに写る自分の顔がありえないくらいニッコニコでした(笑)。
ふだんの写真は笑顔が硬い私の表情筋を、ここまで緩ませる六甲山牧場の動物たちの魅力。ぜひ現地で体験してみてください。


そういえば内容は全く無関係ですが、この記事に使った羊さん、六甲山牧場の子です。↓

ふたたび余談でした。





今週もお読みいただきありがとうございました。六甲ミーツ・アートは「お出かけ日和に美術館はなんか閉鎖的…」という方にもぜひご紹介したい展覧会だったので、開催時期に合わせて今回、記事を書かせていただきました。

ただし、くどいようですが、本文中に書きました内容は、2018年の出品作家・作品ですのでお気をつけください。
今年の出品作家さんたちはこちらをご参考にどうぞ~↓

明和電機さんも出品されてるんだ~。ああ行きたい…でも日程が…ううどうしよう…。


◆次回予告◆
『雑事記⑨』作品を発表していると、時々取材というものを受ける。逆に、自分が漫画を描く上で取材を「する」ことも。新聞、テレビ、雑誌、ラジオ。媒体によってルールも様々だし、記者さんの目を通して語られる真実は色とりどり。そう感じた、これまでの取材エピソードをお送りします。

それではまた、次の月曜に。


noteシナモンロール

◆今週のおやつ◆
スターバックス:シナモンロール


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