はじめに
ある秋の夜のこと、私は脳出血で救急搬送された。当時私は20代後半だった。
これは、その出来事に脚色(ある程度のプライバシー保護)を加えながら記す備忘録である。
脳出血とはいえ、たまたま軽く済んでおり、現在に至るまで後遺症なく元気に生きている。
後に調べてみたところ、私は回復が早かっただけで、人により出血範囲や部位、それに伴い症状や回復の経過などは様々であるようだった。
そのため、これからここで述べることは脳出血という病気の経過全てではない。
「私」という一個人のただの日記である。
こういう病気なんだな、ということを学ぶためではなく、「ふーん」と暇つぶし、読み物的に使ってもらうことを目指したい。
つまり、同じく脳出血に罹患した方々を励ます意図はここにはない。先に述べたように、私はたまたま軽症であったこと、脳出血のことをよく理解しているわけではないことが理由である。人を励ませるほど何かを経験してはいないし、重みを含んで語れはしない。
ただ、あわよくば、「そこそこ頑張ってるなあ」「こういう人もいるのか」など若干前向きな感想を持ってもらえたら私の励みにはなるかもしれない。ただの日記でそれは欲張りすぎか。
(さて、なぜただの日記を公開する気になったかというと、エッセイとして売り出したい欲望に駆り立てられたためである。どこまでも欲張りである。笑)
冗談も交えてしまったが、私が私を忘れないための日記をこれから書いていくことにする。
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