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こばちゃん

私は、姪に「こばちゃん」と呼ばれている。
私の名前は〇〇子なので、「〇〇子おばちゃん」となるはずのところが、姪のことばによると「こばちゃん」となって、彼女が1歳の頃から「こばちゃん」と呼ばれているのだ。
最初のころは、どちらかというと、「くばちゃん」に近い発音だった気もする。

子供の頃の私も、母の姉、つまりは叔母のことを「〇〇子ばちゃん」と呼んでいた。「おばちゃん」は「ばちゃん」になりがちか。
大人になった今でも、私は叔母のことを「〇〇子ばちゃん」と呼んでいる。もはや、あだ名みたいなもんだ。

だいぶ高齢になった〇〇子ばちゃん、ずいぶんと会っていない。元気にしているかな。

今、3歳の姪は最近、「さん」や「ちゃん」が名前の本体でないことに気づき、そのことを強く意識し始めた様子だ。

サメさん、ウシさん、イルカちゃん、アボカドちゃん、
それらは、サメであり、ウシであり、イルカであり、アボカドなのだ。

先日、我が家に来ていた姪は、大きな声で「こばっ!」と私を呼んだ。

私は、いつものように「はあい」と返事をした。

「ばちゃん」は「おばちゃん」なんだと気づくのはもう少し先のことか。その前に私の名前が「こば」ではない、という気づきもあるのかな。

けれど私は、姪が大人になっても「こばちゃん」と呼んでもらいたいような気もしている。

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