見出し画像

あと3時間!

わりと順調に仕事納めができた今年。
時間にゆとりがあろうとも、おせちを準備するほどマメでもない私であるから、今日はデパ地下に買い出しにいくのであった。

デパ地下のなんと誘惑の多いことよ! 

いつもだったら、いいものはいいのはわかるけど…と結局買わずに家で自炊しちゃったりするけれど、今日くらいは!と色々手が伸びる。

大晦日ぐらいはちょっと贅沢してもいいんじゃないか、という価値観はいつからこの身に刻まれたのだろうか。

しかし、人気店の前を3往復したあとに、ローストビーフを断念して焼き鳥を買うことにしたところで、私の器もそこに見た気がする。

帰り道に寄ったカルディで8,000円台のシャンパンが3,000円台に値引きされてるのを見て、飛びついてしまったのは、ローストビーフの無念からか。

なんだかんだと満ち足りて、帰る途中にふと降りてきた言葉がある。


つけなかみかみ、おゆをのんでねた


子供の頃に観た日本昔ばなしの『かさこじぞう』に出てきたブレーズである。

確か、大晦日のお話だった。
貧しいおじいさんは、傘を売って年越しの資金にしようと思っていたけど、結局売れなかった。帰途で雪に降られるおじぞうさんを見かけてその傘をかけてあげる。

年越し用の資金を手に出来ず、傘も手放したおじいさんをおばあさんは責めたりなどしないのだ。そんな仏みたいな対応を私はできる気がしない。
その夜、2人でつけなかみかみおゆをのんでねたのである。

子供ながらに、それでは腹が膨れないであろうことは想像がついた。

幸いにも、おじいさんとおばあさんは、お地蔵さんたちによって、その優しさと思いやりが報われるのであった。

現実はそうはいかない。

さあ、今日も暖かい部屋でで温かい食事にありつけることを感謝しつつ。
そうでない人々の存在も忘れないでおきたいと思いつつ。
老いを感じる機会も増えた今日この頃で、しかし、おじいさんとおばあさんは、2人揃って健在だったのだからそれも幸運なのでは?とも思いつつ。

1年の幕を閉じようと思います。
みなさま、私のオチも教訓もない話にお付き合い頂き、ありがとうございました。

心温まる夜も
心細い夜も
オチも教訓もないおしゃべりが
共にあらんことを!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?