情報を制す者がWBCを制す

 競技で「自分の力を出せば勝てる」というのは、全盛時の朝青龍や白鵬ぐらいで、普通の選手は相手を研究することが必要ということは書くまでもないですね。

 2013年WBCのプエルトリコ戦で日本が仕掛けたダブルスチールが失敗したことは有名ですが、日本の記者が海外の記者にダブルスチールについて聞いたら「モリーナ相手にこんな作戦が通用するわけがない、全盛時のタイソンにストリートファイトを挑むようなもの」と笑われたそうです。

 この記事を読んだときは、「日本はこの程度の情報すら集めてなかったの」と呆れました。例えるならサッカーの日本代表がメッシにゴールを決められまくって負けた場合、「メッシは凄いストライカー」という前提を抜きにして、「DFとGKの責任」と言うようなものです。もはやお笑いといっていいレベルですね。

 プエルトリコは日本との対戦が決まったとき、WBC出場経験がありライオンズでプレーしていたボカチカに連絡を取って、「日本の打者はしっかり足場を固めてから打ちたがるから、余裕を持たせないために投球間隔を短く取って投げるといい」というアドバイスをもらって、日本を一失点に抑え込んだそうです。日本にはプエルトリコと縁のある人間にコンタクトを取って、アドバイスをもらうことがあったのでしょうか。プエルトリコ戦は戦う前から負けていたとしか思えません。

 メジャーリーガーが5人しかいない日本は、戦力的にもメジャーリーガーで固めたアメリカドミニカプエルトリコに次ぐ第二グループの一角というのが現状でしょう。さすがに日本は2013年WBC以上に情報は集めていると思いますが、情報を集めることで戦力差を覆して優勝して欲しいと願うばかりです。

 追記 WBCは海外記者の記事が面白いんですよね。プエルトリコ戦後の会見で日本の山本監督がプエルトリコについて触れなかったので、「日本には勝者に敬意を払うグッドルーザーの精神はないのか?」と呆れられたり、「WBCはMLBのビジネスじゃないのか?」と日本の記者に聞かれたとき、「WBCの収益で世界に野球を普及させようとしているんだぞ、日本は海外の競技普及をやっているのか」と言って日本の記者を黙らせたり、「WBCはかなり見ているが相当面白い、アメリカのファンもMLBのオープン戦よりWBCを見たらいい」と言っていたそうです。

 今回のWBCも海外記者の記事を読めるのを楽しみにしています

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