正義のないNPBに未来はあるか

 先日週刊文春の鷲田康のコラムを読んで驚きました。FA宣言前に関わらず、「嶺井、外崎に他球団から打診があった」とあったからです。これはタンバリングじゃないですか。

 中島大輔「プロ野球FA宣言の闇」にもCS中に関わらず、ある球団から中島氏を通して十亀に条件提示を打診されたとあります。(タンバリングはよくないので、中島氏は十亀に契約のことは話さなかったそうです)

 ライオンズが2019年にFA宣言した、福田秀平に交渉解禁日に会ったという記事を読んで驚きました。近所の友達をいきなり食事に誘うのとは次元が違う話なので、交渉解禁日にライオンズと福田が会えるはずがないです。交渉解禁日にライオンズが出来ることは、福田に「いつ、どこで会うか」というアポを取るだけでしょう。

 ライオンズがタンバリングを犯したのは明らかなのに、福田の所属していたホークスが全く抗議しなかったのも異常でした。どうやら、NPBではタンバリングは常態化していて、「プロレスには脚本がある」ぐらいのお約束になっているのでしょう。

 2014年の日米野球で大谷にドジャースがグッズを詰め込んだプレゼントを贈ったところ、MLB他球団から「ふざけるな!タンバリングだ!」と抗議して、大谷がもらったプレゼントをドジャースに返却したことがありました。これには「タンバリングはよくない」という正義と、「ドジャースに悪印象を着けることで、数年後の大谷争奪戦でドジャースを合法的に落とすことができる」という駆け引きがあったに違いないです。

 正義もなければ駆け引きもないNPBより、正義と駆け引きがあるMLBに選手が行きたがるのももっともでしょう。NPBに失望したアマの選手が直接MLBに行きたがるようになってもおかしくないです。

 NPBは正義という言葉についてもっと考えた方がいいと思います。

 追記 鷲田康は過去中田の暴力、新庄が現役中にグリーニーをやっていたことなど、告発的な記事を書いているのに、週刊文春のコラムでは、「嶺井、外崎に水面下で打診」とあっさり書いているのにガッカリしました。NPBにはこびるタンバリングについて告発記事を書いて欲しかったです。

 

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