東工大が欲しいのは「理系女子」ではなく「恋愛強者女性」

※この文章は、俺の独断と偏見と思い込み、いわゆる「それってあなたの感想ですよね」という内容にあふれたものとなっております。その旨ご承知の上お読みください。


4月、新入学の季節である。俺の母校である東京工業大学、通称東工大にも厳しい勉学の日々を闘い抜いて入学した多数の男子学生と少数の女子学生が加わったことであろう。
東工大と言えば、2022年11月、入試に「女子枠」を導入することが話題となった。この件については賛否両論、というより否定意見のほうが明らかに多かった。曰く「女子枠が設けられることで、本来入学できたはずの優秀な男子学生から席が奪われる」「男女平等という美名の元で男性に対する逆差別がされている」「女子学生が理系より文系を選ぶのは本人の自由なのにそれを侵害している」などなど。

東工大は「女子枠の導入は、本学が強力に推し進めているダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の取り組みの一環です。」「本学の取り組みを起点に、この社会全体に、真に多様な人材を受容する環境が育つことを期待します。」などと説明している。
はっきり言って、現代の日本では(顔や名前を出した状態で反対されることは少ないとしても)同意よりも反発を受けることが多そうな「男女平等」「フェミニズム」「多様性」という概念まみれの偽善感あふれる説明である。

だが、言わせて欲しい。東工大OBとして、OB会で直接益学長と話をしたこともある身として言わせてもらうが、「日本の理系大学の最高峰で学長を務めるほどの頭脳を持つ人物」は、そんな薄っぺらな男女平等というお題目や政治的ただしさや道徳ポイントに流されるような人間ではない。
ではなぜ東工大は、益学長は、「女子枠」なるものを導入するのか?


(ここからは、白饅頭こと御田寺圭先生のnote記事を多数引用させていただきます。基本的に有料ですが、毎日更新される上に政治的に「ただしくない」、つまり世間的に言いにくいことをズバッと分かりやすく説明してくれる、毒を含んではいますがその毒がやみつきになる記事ですので、料金を払っても購読をお勧めします)

東工大は「国立大学」である。その運営においては当然国の意向が、政策が反映される。そして、最近の岸田政権が、「異次元」と言われるほど本気で少子高齢化への対策(白饅頭先生言うところの「産んだス文明への回帰」)をしていることはご存知の通りである。

しかし、東工大は(理工系の大学、学部はだいたいそうだが)男社会である。そして「合コンしたくない大学」で検索するとトップに表示されてしまうような、他校の女子学生にとっても性的魅力の乏しい学生揃いである。「女にモテるために、ファッションに気を使ったり、女ウケする趣味を持つより、研究に打ち込んだり、漫画アニメゲームラノベや鉄道やミリタリーのオタク趣味に熱中するほうが楽しい」と考えるような「おひとり様文明」の申し子と呼ぶべき男子学生の宝庫である。

とはいえ、こんなことを言うと自画自賛と思われるだろうが、優秀な頭脳を持っていることは間違いないし、卒業後も本人の優秀さや製造業を中心としたOB人脈により、給料が良くて安定した会社に就職できる可能性は高い。
たとえ「キモ・センサー」によって、女の本能的に拒否感を抱いてしまうような男、つまり石器時代に求められたような肉体能力・サバイバル能力が乏しい男でも、近代文明社会では理想的な夫、父親になってくれるというわけである。

そして、国として「結婚して子供を作って欲しい」と思うのは、DV男・浮気男・アウトロー男のような「女の本能的に惹かれるけれど社会的には不適合な男」ではなく、「非モテキモオタチー牛と蔑まれても優秀な頭脳を持って定職に就いてちゃんと稼いでいる男」であることは言うまでもない。

俺という人間がいい例であるが、残念ながら「優秀な頭脳を持っていること」「いい大学を出ていること」が必ずしもモテることにはつながらない。
中学・高校時代、「女にモテること」から目をそむけてひたすら勉強ばかりした結果東工大に合格できた男もいるだろうし、優秀な頭脳を持っているがゆえに「恋愛のコスパの悪さ」「恋愛の加害性」に気付いて恋愛から遠ざかった男もいるだろうし、三次元女性と恋愛するより二次元美少女のために金と時間を使いたいという男もいるだろう。

では、そんな「社会的には優秀だけど恋愛に対して及び腰な男」を、恋愛させ、結婚させ、子供を作らせるためにはどうすればいいのか?
日本は個人の自由を重んじる民主主義国家である。いくら「異次元の少子化対策」といっても、無理やりお見合いさせて無理やり結婚させることなどできるはずがない。
まず最初の一歩として「女に対する経験値を上げる」つまり「日常生活、つまり学生生活において女と接する機会を増やす」ことが肝心である。
「職場結婚」や「お見合いによる結婚」が大幅に減少した現在、「幸せな結婚(そして出産)」に至る最も有望なプランは、「大学時代に交際相手を見つけ、卒業後すぐに結婚すること、それも女性が恋愛強者女性となって積極的にアタックすること」であると白饅頭先生が看破している。

白饅頭先生を貶めるつもりはないが、「少子高齢化」とは、1990年の「出生率1.57ショック」にまでさかのぼる、何十年も続く問題である。何十年も解決策を検討し続けていた国が、政府が、白饅頭先生が気付く程度のことに気付かないほど無能だとは思えない。「大学時代に相手を見つけて若いうちに結婚・出産する」というのが最適解だなんて、国はとっくの昔に知っていただろう。

分かってくれただろうか。東工大の「女子枠」とは、男女平等や多様性のために理系女子、いわゆる「リケジョ」を増やすためのものではなく、いい夫、いい父親になりそうな恋愛弱者男性を結婚させるため、もしくは学生時代に結婚できなくても女慣れして卒業後すぐ結婚できるようにさせるための恋愛強者女性候補を確保するためのものであるということを。
「女子枠」とは、「おひとり様文明」の総本山である東工大を「産んだス文明」へと転換させる革命の狼煙なのだ。

もちろん、こんなことを大っぴらに言うわけにはいかない。
「私もこれから日本の理系大学の最高峰で学べる!」と希望にあふれて入学した女子学生に対して「あなたは非モテキモオタチー牛のお嫁さん候補として入学が認められたんですよ」「あなたは非モテキモオタチー牛が将来ちゃんとお嫁さんを捕まえられるようにするための練習台として入学が認められたんですよ」なんて言えるわけがない。
だからこそ益学長は、「ダイバーシティ」とか「インクルージョン」とか、いかにも高学歴の人間が使いそうな「政治的にただしい」言葉で説明しているのである。

とはいえ、心配するほどのこともあるまい。東工大の学生はもちろん、今の若者は、大人たちが使う言葉の「本音」「建前」「裏表」を推察する能力については俺たちが思うよりずっと優秀である。
たとえ「女子枠」という下駄を履かせてもらっているにしろ、「日本の理系大学の最高峰」に入学する女子である。俺が指摘するまでもなく、こんなことはとっくに推察しているだろう。
だから、どうか、我が母校の未来ある後輩たちよ。幸せになって欲しい。そして日本の少子化を少しでも食い止めて欲しい。

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