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夢日記642 ~ カベに向き合う男 ~

 私は、職員室で自分の席について、ゆっくりしていた。しばらく目を閉じて休んでいたところ、隣の席のF先生が話しかけてきたので、私は目を開けて、会話に応じた。

 そのとき、私は職員室に見慣れない若い男性の先生がいることに初めて気づいた。その先生は、カベに向かってイスに腰かけ、ひたすらに髪の毛を整えていた。私は、鏡も何もないカベに向かって必死に髪の毛を整えているその先生を見ているうちに、記憶がよみがえってきた。たしか、少し前にも、その先生がまったく同じことを職員室でしていたのである。そのため、私はその先生に対して恐怖を覚えた。

 このタイミングで、私は時計を見て驚いた。10時50分くらいだと思っていたのに、すでに11時を過ぎていたのである。11時ちょうどからLINEのポイント付与サービスが始まるということで、私は先着順のそのサービスに応募するために目覚ましをかけていたのに、時間が過ぎていてサービスに応募できなかった。

 私は、悲しみや腹立たしさが入り混じったような気持ちで、帰宅することにした。帰りに、駅で発車しかけている電車に慌てて飛び込んだところ、電車内にはほとんど人がおらず、かなりの空席があった。私は、どの席に座ろうかと思って、グルリと車両内を見渡した。その瞬間、信じられないほどの数の人々が乗車してきて一気に空席がすべて埋まり、私は呆然とした。

                             < 完 >

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