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京都では「コウセン」は「高専」ではない

社会人が理系の人に会った時「わたし、コウセン出身なんです」を言われると普通「高専」つまり「高等専門学校」を思い浮かべるのが普通じゃないだろうか。

高等専門学校は、高校と大学を混ぜ合わせたような、五年生の学校。日本に50以上も設置されているらしく、中学の同級生が目指していたりすることもあるだろうから「高専」=「高等専門学校」全国的なものだと思う。

しかし、である。やっぱり京都は違う。

ぼくのような京都以外の出身者が、上記の認識で話をするとおかしいことになる。

相手:わたし、コウセン出身なんですよ。
自分:そうなんや。中学で自分のしたいこと決められるってすごいよね。
相手:えっ?わたしこの仕事したいと思ったのは高校の時です。
自分:高校行ってからコウセンに行ったの?
相手:そうですよ。もちろん。
自分:高校出てから入れるんやね。
相手:いや、普通ですけど。。

何度かこんなやりとりをして、やっとわかったことがある。

京都では「高専」=「高等専門学校」ではないのだ。

なぜなら、京都には「京都工芸繊維大学」というれっきとした大学があり、この大学のことを、京都人は通常「コウセン」と呼ぶのだ。

つまり、「コウセン」卒は、珍しいルートではなく、通常の大学進学であり、単に大学名を言われているだけなのだ。

でも、京都以外の出身者にとって、それはなかなかのトラップである。

京都以外の人にとって「コウセン」と言えば「高専」である。それなのに、最初に説明もされず、みんな「コウセン」、「コウセン」って言ってくるなんて、京都人はなかなか嫌味だなと最初は思った。

しかし、よくよく考えると、そうでもないようである。というのも、京都は近くに高専がないのだ。確かに京都府内に舞鶴高専はあるのだけど、正直同じ京都でもかなりの距離(日本海側)で、通えない(寮に入ることになる)し、お隣の兵庫県の明石にある明石高専(瀬戸内海側)もかなり遠い。

そう考えると、京都市内の学生で「高専」を目指す人は少ないのかもしれない。

それに「京都工芸繊維大学」の略し方として、「京大」とすれば本家がだまっていないし「センイ大」もなんだか間抜けだし、確かに「工繊」がしっくりくる気がする。

だからきっと、この「コウセン」問題(?)も、京都人にとっては悪気がなくて、「あたりまえ」のことなのだと思う。

考えてみれば,「キンダイ」も、金沢大学と近畿大学で争いがあった気もする。

だから京都特有というわけではないのかもしれないけれど、京都の人と出身校の話をするときは注意してほしい。

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