見出し画像

「ディープフェイク技術」がもたらす2つの利点

動画の顔を別人に置き換えてしまうディープフェイクの技術が広がっている。この技術を使えば、勝手に政治家の会見映像なんかを作り出すことすら可能で、社会に大きな混乱をもたらす可能性が取り沙汰されている。

ディープフェイクがもたらす利点

でもぼくは、このディープフェイク技術の発展を止めることは残念ながらできないだろうし、不本意なこともあるが、結果として2つの良いことが起きると確信している。

その2つとは

(1)リベンジポルノの流出被害が緩和される
(2)メディアの役割が拡大する

ということである。

(1)リベンジポルノの流出被害緩和

まず一つ目の、リベンジポルノの流出被害が緩和されることについて。

もちろんリベンジポルノの流出なんてあってはならないことだし、被害者の気持ちを考えると、本当に許し難いことだと思う。

でも、もしディープフェイク技術がさらに進んで、一般人でも作ろうと思えば顔を入れ替えられる時代になれば、たとえ本物が流出したとしても、「これはわたしの顔を入れ替えただけ」という説明ができるようになる。

そもそも流出させるような人の言う事は信頼できないのだから、流出者が「本物だ」と主張したとしても、画像の信憑性はかなり低くなる。もちろんこれば実際にリベンジポルノされた人が自分を守れるだけであって、そもそも本当に勝手に写真を勝手に入れ替えられた人の被害は増えてしまうので、その点は厳罰化の対応はもちろん必要だ。でも、流出と技術の発展を止められない中

こういった動画全般に「偽物かも」という意識が根付くことは、結果的にいいこと

だと思うのだ。

(2)メディアの役割の拡大

そして二つ目の、メディアの役割が拡大するということについて

だれでも、政治家の記者会見の動画や芸能人の発言を自由に作れるようになれば、それを見る人も当然「これは本物か」と疑ってみるようになる。そうなってくると

その情報を誰が配信しているのかが重要になってくる。

そして、情報を得る一般人、一人一人が、きちんと情報を取捨選択しなければならない必要性に迫られる。普段からきちんとニュースを伝えている組織が配信しているのか、それとも真偽不明のニュースばかり流している組織なのか。

一見大変なことのように思えるが、よく考えてみれば、今も真意不明の情報がネットに散りばめられていて、たまに間違った情報が拡散するけど、すぐに訂正され、大きな被害にはならない。

既に誰でもニュースを配信できる時代ではあるけど、結局信頼のおけるニュースサイトの信頼度は大きくて、昔と同じように必要な役割を担っているのだ。

だから、ディープフェイクでみんなが好き勝手に政治家に喋るようになっても大きな影響がないどころか、むしろ

メディアの役割は拡大する。

そして

一人一人が、きちんとした情報を選別できるようになる。

と思うのである。

結局フェイク写真と同じ

そもそも、もう10年ほど前から高機能な写真の加工ソフトが一般に出回っていて、顔写真の合成は簡単にできることをみんな知っている。だから、ネット上に落ちている芸能人の怪しい画像を見て「本物だ」と思う人なんて誰もいないのではないだろうか。

だから、ディープフェイクと聞くと、何か怖そうだけど、結局は怪しいフェイク写真を同じ扱いがされるようになるだけだとぼくは予想している。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?