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なつかしの旧ソ連 ~シェレメチェボ空港編~

なつかしの旧ソ連 ~おみやげ編 ~の続き


モスクワの空港といえば「シェレメチェボ」。ターミナル1(アジン)が国際線で、2(ドゥバー)が国内線だったように記憶している。

シェレメチェボ空港には苦い思い出がある。ソ連の国営航空会社(当事)であるアエロフロートを使って名古屋の小牧空港に帰国したのだが、預けていたスーツケースが荒らされていたのである。筆者だけでなく、搭乗客ほとんど全員。アエロフロートの空港職員(日本人)によれば

「モスクワの空港施設作業員が外国客の荷物から貴重品・電化製品を抜き取る事件が多発している」


帰国する外国人、特に日本人のスーツケースはお宝が詰まったジャックポット(大当たり)なのだろう。アエロフロートの職員はこうも言っていた。

「荷物運搬作業で、帰国する日本人のカバンは奪い合いになると聞いたことがある」


筆者の勝手な想像。おそらくこんな感じでしょう。

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black friday (image:Annabel Fay Consulting)


組織ぐるみとは言わないが、物不足の旧ソ連では仕方がなかったのかもしれない。スーツケースの修理代はアエロフロートが負担してくれたが、紛失物に関しては一切の補償なし。

「携行品紛失の証明を出すので、ご自身の旅行保険でまかなってください」


社会主義国家の航空会社なんてこんなもの。客の大半は苦笑いしながら半分あきらめ、アエロフロート側もそう思っていたに違いない。勝手な想像であるが・・・

「次に利用するときはどうすればいいか?」

アエロフロートの職員に聞いたことがあるが、返ってきた言葉に驚いた。

「壊されないようにカギはかけないことをオススメします。中身は盗られますが、カバンは壊されない。おみやげ・貴重品はスーツケースではなく手荷物に。アメリカ製ジーンズならほぼ100%、シャツやネクタイといった衣料も、きれいなものなら盗まれる可能性があります。モスクワには連絡してあるのですが、おそらく今後も変わらないでしょう。私ども日本のスタッフでは手の打ちようがありません」

唖然としていたらこっそりと耳元で囁かれた。

「うち(アエロフロート)ではなく、日本の航空会社を使ったほうがいいですよ。JALなら荷物の管理もしっかりしているし、万が一のときの補償もしっかりしていますから・・・」


シェレメチェボ空港到着時にスーツケースが無くなっていたこともあった。乗継便ではなく日本からの直行便なのに

「どこに行ったのかわからない」

結局出てこなかった。おそらく空港内の誰かに盗まれたのだろう。ちょっと目立つスーツケースだったので、金目のモノが詰まっていると思われたのかもしれない。ちなみにこの時利用していたのもアエロフロート。補償はしてくれたが、微々たるもの。日本円にして1万円程度であった。もちろんルーブル払いである。


すべては30年以上も昔の話。現在のアエロフロートは民間の航空会社で、同じ名前であるが全くの別物である。

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image:aeroflot archives


苦い思い出しかないアエロフロートにシェレメチェボであるが、可能であればあの頃にタイムトリップし、社会主義的サービスを今一度体験したい。


おまけ動画

アエロフロート、シェレメチェボ空港とは関係ないけれど・・・空港の裏側なんてこんなもんです。日本レベルのサービスを求めてはいけません。




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