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【ネガティビティ・バイアス】人類は、まぎれもなく史上最大の危機を迎えている

SDGsを適切に扱えば、社会課題の解決に役に立つ。人類は、まぎれもなく史上最大の危機を迎えている。安っぽい映画のキャッチコピーのようだが、残念ながら本当の話だ。本書の取材を始めた2020年2月、猛威をふるい始めた新型コロナウイルスのパンデミックは、1年を経たいまも収束が見えないままだ。新型コロナの発生と拡大は、人間の環境破壊や経済活動と深く関係している。
また、執筆を始めた夏には、激しい気象災害が立て続けに日本列島を襲った。冬に入ると突発的な豪雪が各地で被害をもたらした。年々激化する異常気象の背景には、温室効果ガスの排出などを要因とした気候変動の悪化がある。産業革命以降、人類の活動が地球の生態系や環境にあまりに甚大な悪影響をもたらすようになったことで、これまでとは異なる地質年代「人新世(アントロポセン)」が提唱されるまでになっている。

みなさん。

人類はまぎれもなく史上最大の危機を迎えているそうです。

んなアホな。

馬鹿を言え。

聴衆に恐怖を植え付けるのは、カルトの典型的な洗脳手法であることは広く知られていると思います。

果たして新型コロナが人類最大の危機でしょうか。

違いますよね。昔も、コレラ、ペスト、天然痘、スペイン風邪など、あらゆる疫病が蔓延して人類に試練をもたらしたことは広く知られています。今回の新型コロナがそれに匹敵するほどのものか?と聞かれたら、正直それほどでもないんじゃない?と思ってしまいます。

激しい気象災害が日本列島を襲った、そうでしたっけね?

熊本で84人が亡くなった豪雨災害はあったけど、あの程度の豪雨は日本ではそんなに珍しくないですよね。

豪雪災害についても然り。近年になって急に増えたという主張はエビデンスがありません。その手の災害は昔からありました。

「産業革命が地球に悪い影響をもたらした」というのは、科学的事実ではなくイデオロギーにすぎません。

人間は、どういうわけか「世の中はだんだん悪くなっている」と信じたがる傾向があるそうです。しかし、そうした思い込みに反して、世の中は実はだんだん良くなっています。当たり前ですよね、産業革命だってIT革命だって、みんな世の中を良くしたいという思いで頑張って新しい技術を開発してるんですから。

ですが、そうした人間の努力が、外側からは見えない。皆さんだってスマートフォンを使ってるときに開発者の苦労とか想像したことないですよね。インターネットを使ってるときに海底に光ファイバーを通した人たちの苦労なんか想像したこともないですよね。携帯電話を使ってるときに基地局を設置した人の苦労なんか想像したことないですよね。

そういう、人の苦労を想像することができないから、機械とか技術とかってものが、なんだか人の血が通っていない冷たいものに思えてしまうのでしょう。まあ、自分が体験したことのないことを想像しろと言ってもなかなか難しいので、そういう考えに陥ってしまうのは仕方ないとは言いたくないですが、わからなくはないです。

じゃあ、どうして世の中は良くなってるはずなのにそれを実感できないかというと、パーキンソンの法則というものがあるそうです。

第1法則
仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する

第2法則
支出の額は、収入の額に達するまで膨張する

要するに、仕事が効率的になればなるほど、人はより多くの仕事をする(あるいは、させられる)ので、結果的に人は楽にならない、ということらしいです。ちなみに、第二法則は、沢山稼げば稼ぐほど支出も増えるので、ちっとも豊かになった気分にならないということです。

そういえば、バブル景気の頃ですら、

平成2年(1990年)の内閣府の世論調査があります。

Q1  お宅の暮らし向きは,去年の今頃と比べてどうでしょうか。楽になっていますか,苦しくなっていますか,同じようなものですか。
5.1%  楽になった 
69.7%  同じようなもの
22.9%  苦しくなった 
2.3%   わからない 

戦後もっとも景気が良かった時代のはずなのに、「楽になった」と答えている人よりも「苦しくなった」と答えている人の方が4倍以上も多いです。

実はこの調査、昭和48年以降いつの調査を見ても似たような結果になっています。面白そうなのでグラフを作ってみました。

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青のグラフが「生活が楽になった(向上した)」、赤のグラフが「生活が苦しくなった(低下した)」と回答した人の割合です。「変わらない」と「わからない」は無視しました。参考にしたデータはこちらです。

1970年代は、オイルショックの影響で「生活が苦しくなった」と回答した人が特に多い印象がありますが、そういうこと抜きにしても、「生活が苦しくなった」と回答している人の割合が約50年間、常に「楽になった」と答えている人を上回っています。

「失われた30年」どころの騒ぎじゃないですね(笑)。

このように、人は常に「以前より悪くなった」と考えがちな生き物ですので、マスメディアの世論調査でよくある「景気回復を実感できない」みたいな回答は、実は全く意味がないのです(笑)。

こういうのを「ネガティビティ・バイアス」と言うそうです。

他にもこういうのありますよね。例えば「少年犯罪は年々凶悪化している」みたいなやつ。実は少年犯罪は昔に比べて激減しているのですが、時折あるセンセーショナルな事件報道を見て、「年々凶悪化している」と自己暗示にかかってしまうわけです。

だいぶ話が逸れましたが、「人類は、まぎれもなく史上最大の危機を迎えている」というのも、典型的なネガティビティ・バイアスです。

人類はこうしたネガティビティ・バイアスを信じやすい性質を利用するのが、カルトの手法なのです。

放射能、ワクチン、電磁波、食品添加物、etc…こうしたものに関するデマが広まりやすいのも、人のネガティビティ・バイアスを刺激するからなのですね。


こうした、ネガティビティ・バイアスを、データと証拠に基づいて否定したのが「ファクトフルネス」です。

最後はなんか宣伝っぽく締めてみました(笑)。

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