「公権力」が絶対的なものだと考える人たち

ShinHoriさんやnowhereman134さんなどは、どうも「公権力」を絶対的なものだと考えておられるようですが、そんなことはない、公権力も所詮は相対的なものであり、単に今の時代において最も強大な権力を持っているにすぎないというのが私の主張です。

その証拠に、「公権力」など、国境から一歩でも外に出ればまったく無力です。

こんなアホな判決は常識的にはありえないのですが、しかしこんな判決を食らっても、日本はせいぜい「遺憾砲」を繰り出すくらいのことしかできないわけです。わかりやすいくらい無力ですね。

そして、多国籍企業は時として「公権力」よりも強大な権力を持ちうる、というのは、私も以前から危惧していたところです。これも少し考えればすぐに分かる話で、例えばアメリカの法律で企業の活動を規制しようとしても、別の国に逃げちゃえば良いだけですから。

日本の警察がカリビアンコムに手も足もでないのも同じ理由です。4年前に運営者が逮捕されたことがありましたが、いまだに運営は続けられており、よく調べてみたところ「日本国内で撮影した」ことが犯罪とされたようです。バカバカしいといえばバカバカしいですし、無理矢理な屁理屈だなあとしか思えませんが、ともあれ運営そのものを禁止することは、できない。

このように、複数の国にまたがって経営をする企業は、それぞれの国の法の目をかいくぐり、いいとこ取りをして経営できてしまうため、国による統制が働きづらいのです。

さて、ところで、ShinHor・nowhereman134理論をアグネス・チョウ=周庭さんに援用したらどうなるでしょう。

「トランプ大統領はTwitterの利用を禁止されただけで、Twitterの外での発言は禁止されていない」
「周庭さんは香港国内での発言を禁止されただけで、香港国外での発言は禁止されていない」

こうなりますね。もちろんトランプ大統領は逮捕も収監もされていないので、周庭さんと比べるのは問題がありますが、こと言論の自由という問題のみに焦点を絞れば、問題の深刻さには違いがありますが、問題のベクトルはとてもよく似ています。

要するに、「公権力を上回る私権力」は、部分的には、もうすでに現れているのです。なぜShinHori氏やnowhereman134氏はそのことに気付けないのか。こういう人たちは、80年前の価値観や国家韓、戦争観等からアップデートできていない気がします。

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