宇崎ちゃん献血PRポスター意識調査

というわけで、すももさんという方が、なんと自費を投じて世論調査会社に業務委託し、あのポスターに関する意識調査をされたそうです。なんという行動力!ほんとうに敬服の至りです。

調査結果はというと、男性よりも女性のほうが否定的で、なおかつ若者よりも中高年のほうが否定的、という、まあ予想通りな結果です。

さて、この調査、傾向を知るには良いと思うのですが、この調査をもって否定的な世論のほうが多い、と結論づけてしまうのは危険だと思います。

だって、普段は気にしないポスターでも、わざわざ質問されたら、問題があると思う人は増えるに決まってます。特に、こういうタイプの絵柄は好き嫌いが分かれるのは仕方ありません。

また、不快に思うか否かを問うているのも問題です。調査結果を見ればわかると思いますが、A(不快ではない/問題ない)とD(不快/問題がある)に比べて、B(不快ではない/問題がある)とC(不快/問題はない)が少ない結果に終わっています。つまりこれは、かなり多くの人が自分の個人的な快・不快と、問題の有無を無意識のうちに結びつけてしまっているのです。AないしDと答えた人の全てが両者を区別できない人というわけではありませんが、区別できない人はかなり大勢いるのです。

また、不快ではない、問題はない、といった具合に、肯定的な回答をするために問いを否定させる選択肢になっているのも問題があります。問われたことを否定するのは精神的な負荷がかかります。つまり、この選択肢では、無意識のうちに否定的な回答に誘導されてしまうのです。

とはいえ、否定的な回答が多かったという事実は真摯に受け止めないといけないかもしれません。しかし、それはわざわざ日本赤十字社に抗議をしなきゃ気が済まないほど強い不快感が示された、というわけではないのです。さっきも言ったように、わざわざ聞けば「不快だね」「風紀的にどうなのこれ?」みたいな反応が返ってくるのは、むしろ当然であります。しかし、そう考える人の圧倒的大多数は、献血をしない人たちです。

献血ドナーのことを「お客さん」と言うのは拙いかもしれませんが、日本赤十字社にとって大事なのは「献血をしてくれる人の声」であって、それ以外の外野の声は、ぶっちゃけどうでもいい。

それともう1つ、回答者の多くは、この問題について詳しくは知らないだろうと思われます。なので、「献血PRポスター」ということしか書かれてなかったら、これは広くあまねく献血をPRするためのものだと勘違いしてしまうでしょう。おそらく回答者の大半はそういう誤解の下で回答されていると思います。しかしこれは、日本赤十字社も言っているように「一般の方へのPRを目的としたものではない」のです。つまりこれは、PRポスターというお題が間違っているのであり、正しくは、「原作のファンの方にターゲットを絞ったキャンペーンのポスター」なのです。

あ、蛇足ですけど、一部の糞フェミは「巨乳でキモヲタを釣ろうとしている」みたいなことを言ってますけど、それは大勘違いです。原作を知らない人が、「原作知らないけどこのキャラ巨乳だから献血しちゃおーっと」なんてことは、まずありえない。もしもあったとしても超レアケース。キャンペーン目当てに献血するのは原作のファンだけですから。

11/17追記。

ふと思ったのですが、男性から性的な視線を浴びやすいのは主に若い女性です。ですが、この絵に対して「不快」または「不適切」との回答が多かったのは、そういった被害からは縁遠い高齢女性であり、若い女性は比較的寛容だというのは、いくら「若い世代ほどオタク文化に寛容」という説明だけ十分なのでしょうか。

もしかしたら、高齢女性が若いころの時代のトラウマが反映されているってことは、ないんでしょうかね。「セクハラ」という単語が一般的になったのは平成以降だそうで、昭和にはそのような言葉すらなかったとか。その時代に思春期を過ごした女性は、歳をとっても考え方はなかなか変わらない気がします。「集団レイプする人はまだ元気があるからいい」なんていうトンデモ発言をする政治家がいましたが、彼らが若いころはきっとそういう感覚が強かったのではないでしょうか。統計データを見ても強姦被害件数は年々減少しています。つまり裏を返せば昔は今より性加害が多かったわけで、その当時のトラウマが、過剰防衛を誘発している可能性もあるんじゃないかと思ったのでした。

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