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観察スケッチ、はじめました。

割とスピード感大事にしちゃう方です。
思いついたら、すぐやりたいし、カタチにしたい。そんな性格で、人生振り返っても「全速力」って言葉が当てはまりそうです。

まもなく不惑の40代。これから先は少し違う視点で物事を見たり、じっくり味わったり、ゆっくり時間をかけてつくっていったり、そういうことを大事にしたいと思うようになりました。

そんな中、山中俊治さんの「だれでもデザイン」という本や、建築家・小堀哲夫さんのワークショップや、身近にいてくれるイラストレーターもちがわさんの影響もあって、「絵を描く」ということは、「よく見ること」なんだと改めて気付かされ、僕も描くことを始めてみようと思い立ったのです。

とはいえ、普段そんなに絵を描かない人がいきなりスケッチをするというのは、なかなかハードルが高いもので、上手く描く必要はないと思っていても、実際にそこにモノがあるのに、描かれたものが全然思い通りにならないのはやっぱり凹みますし、仕上がりが残念だとモチベーションも上がりません。

そこで、僕の観察スケッチは、絵の上達という目的はほぼ捨てて、「見る」という目的達成しつつも楽しく続けられることも目的にしました。
そのための方法はデジタルスケッチ!
 iPad OSアプリ「procriate」をつかって描くことにしました。

気になったものを写真でパシャ!

アプリに取り込んで、トレース!

言葉を加えて、完成!

という具合です。

例えばこちらは、テーブルの上にあったウエットティッシュ。

観察スケッチを始めると、今まで当たり前にあったものも何か気になってきます。気になったら触ってみたり、分解してみたりして、描きたい構図で写真をパシャ!

描いていくと、新しい疑問や面白いさがでてくるので、さらに写真を撮って取り込んでトレース!という具合です。

タイムラプス動画はこちら!

トレースをしているので、これは1枚あたりだいたい15〜30分くらいで完成します。
(トレースせずにスケッチしたら、多分1時間じゃ済まない。。。)

15〜30分という時間は、1日の中で確保するのはそんなに難しくありません。

と、いうのも今まで仕事から疲れて帰って、なーーんもしたくない!!と
ダラーーーっとスマホを眺める時間、ありました。
くだらぬネットニュースを見たり、ボッーとSNSをおってみたり。
これを本当にどうにかしたいと思っていました。

観察スケッチを始めて20日間ちょっと、今そのスマホダラダラ時間をこのスケッチ時間に置き換えられているので、心も健やかです。

疲れ何もしたくないモードでも、「なぞる」という行為はそんなに負荷がかからないように思うです。描きはじめにパワーは必要なくて、描いている楽しくなってきます。

いや、そもそも日課として嫌々頑張っているわけじゃないし、何なら仕事するよりも観察スケッチずっとやっていたい!と思うくらいですから、できちゃうのかもしれません。

描きたいものは、「描こう!」と思って探し始めるのではなく、1日過ごす中でたくさんの「気になるもの」に出会います。

その時写真を撮っておきさえすれば、後で描けます。


通勤途中のあれこれ。

家でふと目にとまった、今までもずっと家にあったもの。

観察スケッチを始めて面白いのが、日常の目線が少し変わってくること。

先日、妻ランチを食べにいった際には、今まで気になることもなかったフォークとスプーンに目が止まりました。

よーく眺めると、ものすごくきれいなカーブをしていたり、フォークとスプーンを重ねると、ピタッと重なる驚きに出会えたら、「どれだけ緻密に考えて、この造形を考えて作ったんだろう」と勝手に妄想する職人さんに敬意を払ったりするわけです。

スプーンを手にして(まだ食事は来ていない) 惚れ惚れ眺めていると、妻からは「何してんの?」と冷静突っ込まれましたが、これまでは起こり得なかった豊かな時間が生まれるのです。

これは1人よがりではなく、家族にもプラスになることは多分にあります。

休日、家で過ごしている時スマホをダラダラ見る父よりも、絵を描いてる父の姿の方が100倍かっこいい!はずです。

「私も描こうー」と親子でお絵描きタイムが始まったり、「ねー観察スケッチ、これいいんじゃない?面白いよ?」と我が子からの提案も増えてきました。

娘のオススメシリーズの1枚です。こんな風にそれはお散歩中にも起こるわけです。

冒頭お伝えした、「これから先は少し違う視点で物事を見たり、じっくり味わったり、ゆっくり時間をかけてつくっていったり、そういうことを大事にしたい。」
これだこれだ!と思うわけです。

とはいえまだ20日ちょっと。1年続けてこそ見えてるものもきっとあるはず。
これは続けられそうなので、楽しみながら続けてみようと思います。