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蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)

5月21日は七十二候の第22番目蚕起食桑の始まりなのだそうだ。
緑は日毎色濃く、ボリュームを増している。桑の木もすっかり緑の塊だ。蚕がいたら大喜びの季節だということ。
畑の脇に勝手に生えてきていた桑の若木からひと枝を切って挿し木を作ったのはもうすでに四年前にもなるだろうか? (いや5年前かもしれない。最近毎日の時間が溶ける様に消えすぎる。それだからかどうなのか過去という時間帯が曖昧になってきた)
テラスの箱庭だから木はコンパクトに育てているので毎年勢いよく育つのを切り戻す。
切った枝の葉はお茶にしていただく。去年は蒸さずに乾燥させてお茶を作ったが、今回は一度軽く蒸してから乾燥させた。
去年の桑茶の味をはっきり覚えていないので、どちらが旨いかわからないが、我が家の素材から作って飲むことが出来るというのは楽しく嬉しい。
少しばかりの青臭さはあるが甘い後味が残るのが面白い。
昔、小さな養蚕農家の納屋で桑の葉を蚕たちが一心に食べているの場面に出会った。蚕たちの咀嚼音が青葉時雨の音に似て心地良く聞き入った。
そんなことを思い出しながら、桑の葉茶の甘味を楽しむ。


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