エクセラレート・エナジー（ティッカー：EE）
＊本記事に記載された内容について正確性を保証することはできません。投資される際にはご自身で改めて調べることをオススメいたします。
エクセラレート・エナジー（Excelerate Energy）の概要
概要
Excelerate は、LNG 輸送および浮体式 LNG 基地 （FSRU）による LNG 受け入れ事業を行う企業であり、2022年4月にNYSEにIPOしました。
2003年に1基のFSRUをチャーターしたのが始まりで、現在、南北アメリカ、アジア・太平洋、北アフリカ、中東の7カ国に複数のFSRUを保有・操業しており、複数のLNG受入ターミナルを保有・操業しています。
収益は、テイク・オア・ペイ（LNG 買主による引き取り数量が LNG 契約書中に規定する数量に買主固有の理由で不足した場合、LNG 買主は実際には LNG を引き取らないものの、その分の品物代を金銭にて支払わなければならないとする契約）のタイムチャーターとターミナルサービス（LNGの購入と再販）から得ています。
現在はLNGへの安全なアクセスを提供していますが、DGS（分散型ガスサービス-小規模な天然ガス配給事業）や LNG to Power（ガス火力発電燃料の調達から発電まで一貫して行うプロジェクト）にも進出しています。また、既存のターミナルの能力を一部拡大し、新しい市場に参入する計画もあります。
そもそも、FSRUとは？
FSRU（Floating Storage & Regasification Unit, 浮体式LNG貯蔵再ガス化設備）とは、 LNGバリューチェーンにおける、陸上受入基地機能の一部を代替するもののことです。陸上受入基地と比べて、安価な建造費用、短工期、撤去可能等の理由で、フレキシブルにLNG需要に対応することができることがメリットになります。
エクセラレート・エナジー（Excelerate Energy）の市場
パンデミックの前半で落ち込んだ世界の電力需要は、2021年に6％回復しました。電力需要は2022年に〜3％、2023年に再び増加すると予想されています。この需要に対応するためにLNGが必要となりますが、石炭消費は後退を続け、原子力発電容量は停滞を続けています。このため、LNG需要は2022年から2025年にかけて年率2.3%で着実に増加し、年間401mm（ミリオン）トンになると予想され、その半分以上をアジアが占めると見込まれます。
さらに長期的に見ると、電力需要は2050年までに60%増加すると予測されています。石油と同様、世界的に見ても、一人当たりの電力消費量は少ないですが、増加傾向にあります。Excelerate は、世界の約半数の家庭が、アメリカの平均的な冷蔵庫よりも年間使用電力が少ないと指摘しました。世界の電化が進むにつれ、LNGの需要は電力需要の伸びを上回り、2020年の360mmTPYから2040年には720mmTPYに倍増すると予測されています。
エクセラレート・エナジー（Excelerate Energy）のビジネス
FSRU
Excelerate は10隻のFSRUを保有（7隻は完全自社保有）しており、平均残存年数は20年になります。10隻全てが大宇建設（韓国の建設会社）により建造され、信頼性の高いサービスを提供しています。この数はFSRU全体の20%に相当し、世界最大級です。10隻のFSRUは合計で61mmTPYの送出能力を持っています。仮に65%の能力で稼働させたとしても、世界のLNG需要の10%強に相当します。
同社の8隻は長期契約（平均6.9年）です。また、FSRUの契約は全てテイク・オア・ペイで、商品リスクを最小化するように設計されています。
E-Fit (Excelerate Flexible Integrated) ターミナル
以下3つの統合型LNGターミナルが稼動中です。
ボストン郊外の100％出資ターミナル（Northeast Gate）
バングラデシュにある80％所有のターミナル
ブラジルのバイア再ガス化ターミナルは2023年までリースしている（現在は少なくとも延長を検討中）
E-FITは、港湾サービス（タグボート、サプライボート、クルーボート）、LNG調達サポート（船から船への輸送サポート）、LNG再ガス化（FSRU、陸上再ガス化付きフローティングストレージ、陸上ストレージの提供）、許可サービス、EPCIC（設計、調達、建設、設置、試運転）サービス、サポート船とターミナルの運営・管理など、顧客に単一のインターフェースを提供します。
また、ターミナルはトラック、列車、または小型船舶で陸上の必要な場所にLNGを輸送するための流通拠点としての役割も果たすことができる場合があります。E-FITターミナルでは、商品リスクを最小限に抑えるため、15年から20年の契約期間で、テイク・オア・ペイ契約を採用しています。
エクセラレート・エナジー（Excelerate Energy）の財務状況
エクセラレート・エナジー（Excelerate Energy）へ投資するリスク
事業は、現在締結している長期契約または将来締結する予定の契約に基づく顧客による履行に依存しており、顧客が不払いや不履行を含む何らかの理由で契約上の義務を履行しない場合、またはそのような契約を全く締結しない場合、重大かつマイナスの影響を受ける可能性があります。
顧客との契約は、一定の条件のもとで解除される可能性があります。
FSRU、LNGC及びその他のLNGインフラ資産の運用は本質的にリスクが高く、当社の船舶のいずれかが健康、安全、財産又は環境に関わる事故を起こした場合、当社の評判、事業及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
船舶やその他の設備に運用上の問題が発生し、収益の減少、費用の増加、顧客との契約解除につながる可能性があります。
プロジェクトの開発中に、中止、時間の遅延、予期せぬ支出、その他の合併症を経験する可能性があります。これらの合併症は、収益を生み出す活動の開始を遅らせ、当社が得る収益額を減少させ、開発費用を増加させる可能性があります。
プロジェクト開発のために多額の資本を投下した場合、プロジェクト開発が成功しないリスクや、プロジェクトに対する資本投下後、顧客が支払義務を履行しないリスクを負っています。
天然ガスパイプラインや発電所を含む再ガス化ターミナル及びその他の施設について、契約、建設及び試運転をまだ完了していません。また、再ガス化ターミナルやその他の施設が期待通りに、あるいは全く稼働しないという保証はありません。
保有する航空機の稼働率を維持・交換するために多額の資本支出をしなければならず、このことは事業、財務状況および業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
エネルギー関連インフラを成功裏に完成させるために、EPC業者やその他の請負業者に依存することを想定しています。
有能な役員および乗務員の不足は、事業および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
開発業務を随時行っており、これらの業務には固有の様々なリスクが存在します。
LNGの輸入やガスの販売など、当社の施設の設計・建設・運営及びサービスの提供に関して、政府・規制当局から承認や許認可を取得・維持できない場合、プロジェクトの開発や操業・建設に支障をきたし、大きな悪影響を与える可能性があります。
将来の成長は、顧客や既存の供給業者との関係を維持し、LNGやプロジェクトの重要な構成要素に関する新たな供給業者を調達し、サプライチェーンの構築を完了する一方で、こうした関係から生じるリスクを効果的に管理できるかどうかにかかっています。
パイプラインや施設に相互接続している第三者のパイプラインやその他の施設が、天然ガスの輸送や受け入れに支障をきたした場合、当社の事業、契約、財政状態、経営成績、キャッシュフロー、流動性および将来性に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
GSAに基づく納入義務を満たすのに十分な量のLNGを、魅力的な価格で購入または現物納入を受けることができない可能性があります。
LNGや天然ガス、LNG再ガス化設備に対する需要や価格の循環的あるいはその他の変動は、事業や顧客の業績に悪影響を与え、事業、契約、財務状況、経営成績、キャッシュ・フロー、流動性および将来性に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
LNG再ガス化サービスの市場は競争が激しく、競争に打ち勝つことができない可能性があり、その場合、事業、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
FSRUの傭船料は大幅に変動する可能性があり、傭船料の低下は事業、経営成績及び財政状態に重要な悪影響を及ぼす可能性があります。
事業は、インフラの制約、環境・安全・テロに対する懸念から既存・新規のLNG・天然ガスインフラに対する地域社会や政治団体の抵抗など、多くの要因から影響を受け、成長が制限される可能性があります。
事業戦略を実行する能力は、多くの既知および未知の要因により、重大かつ不利な影響を受ける可能性があります。
疫病やパンデミックの発生およびそれに対する政府の対応は、当社の事業に悪影響を与える可能性があります。
重大な悪影響を及ぼす可能性のある訴訟、仲裁、その他の請求の対象となる可能性があります。
商標、サービスマークおよび商号が適切に保護されない場合、対象とする市場で知名度を向上または維持できず、競争力が損なわれる可能性があります。
事業の基盤となる知的財産権を取得・維持・保護・行使できない場合、または第三者が当社の知的財産権を侵害したと主張する場合、事業、見通し、財務状況、経営成績、キャッシュ・フローおよび流動性に悪影響が及ぶ可能性があります。
保険は、財産に発生しうる損害または事業から生じる損害をカバーするには不十分な場合があります。
会計基準、仮定および/または判断の変更は、重要かつ不利な影響を及ぼす可能性があります。
米国外における合弁事業を含む事業は、様々な政治的、法的、経済的リスクなど、外国での事業遂行に通常伴うリスクにさらされています。
ハリケーン、サイクロン、台風、またはその他の自然もしくは人為的な災害は、グループの事業の中断につながり、契約上の顧客の解約権、インフラプロジェクトの完成の遅れ、建設コストの上昇を招く可能性があり、これらはすべてグループに悪影響を及ぼす可能性があります。
地球規模の気候変動は、将来、気象現象の頻度や深刻さ、およびそれによる損失を増加させる可能性があり、その結果、事業を展開する、あるいは将来展開する予定の市場の経済、ひいては事業に重大な悪影響を与える可能性があります。
ESG方針に対する投資家、融資者及びその他の市場参加者からの監視の強化及び期待の変化は、新たなコストを課し、又は新たなリスクにさらされる可能性があります。
戦争やテロ行為により、事業に重大な損害が発生する可能性があります。
戦争や緊急事態が発生した場合、政府が船舶を徴用する可能性があり、その結果、収益が減少する可能性があります。
長期性資産の減損が発生する可能性があります。
FSRUの船価は大きく変動する可能性があり、当船舶を処分しようとする時期に船価が低下した場合、減損損失の計上、財務制限条項の違反、あるいは船舶の損失が発生する可能性があります。
情報システムの障害、サイバーインシデント、セキュリティの侵害は、悪影響を及ぼす可能性があります。
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