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機能表比較シートだけで製品を選定する事は危険では?

 職業柄、定期的にあるのが「他社製品と差別化された機能表はありませんか?」という問い合わせ。色々突っ込みたいのですけど、先ず最初に言いたい。

勝手に自社と類似している他社の製品に対して、名指しであれこれ書くのはダメじゃないですか?

 消費者庁の比較広告ガイドラインそ見ても、"客観的に実証されていること""数値や事実を生活かつ適正に引用すること"などとありますので、他社の正確な数値などを知り得ない自社が主観でそんなシート作っちゃダメでしょう・・・。
 そもそも、その機能表比較シートだけで、本当に学校現場に必要なものを決められるのでしょうか?というのが、今日書きたかった事です。結論から言えば、機能表比較シートだけで決められる訳がないでしょうが!
 しかしながら、いまだに行政の入札案件などでは「授業支援ソフトウェアの概要については、次の機能表一覧に準ずる事…」の様になってしまいがち。。。うーん、、、。
 なんで機能表比較シートだけで決める事が危険なのか、簡単に書いてみたいと思います。

1. あなたがロックマンが欲しくて財務担当に相談した場合

 あなた(10歳)はスーパーファミコンを購入しました。合わせて無料で使える簡単なソフトも付いてきました。けれども、もっとやりたい事もあって、ビジュアル的にも好みである"ロックマン"というソフトも購入したいと思っています。しかしながら、財務担当(両親)からは「スーパーマリオという製品もある。こっちの方が安いし同じ様な事ができる。何ならよりたくさんの機能があるからこっちにしなさい」と言われてしまいました。なんと財務担当は機能表比較シートにロックマン・スーパーマリオ・桃太郎電鉄の3つをまとめて提案してきました。

例:スーパーマリオ・ロックマン・桃太郎電鉄の機能表一覧

 さて、この様な機能表比較シートを出された現場のあなた。どの様に財務担当者を説得しますか??あなたはロックマンが欲しいのだけれど・・・

2. 現実の話

 実際に、似た様な話がGIGAスクール構想のタイミングでも沢山ありました。たとえば、教育委員会としては「iPadが欲しいのだけれど・・・」と提案したものの、財務担当からは「写真取れてキーボードもあってタッチパネルの条件を満たして安価な、中国製のタブレットでいいでしょ!」みたいな話です。GIGA時代の最たる悪い例が、徳島県のタブレット調達でしょう。

 この問題は2024年4月現在も復旧の目処が立っておらず、結局徳島県の同社生タブレットを導入した県立学校はじめ多くの自治体では「タブレット端末を使わない授業」が一般的なままなのです。だって、端末ないんだもん。徳島県内ではタブレット端末を使わない授業が一般出来だったとして、大学や社会人、世界と接する様になってどうでしょうね?
 この様な事が起こらないためにも、「機能表を満たした製品から最安を選ぶ」のではなく、「製品を指定する」度量が委員会担当者には必要だと思います。多少高くても、本当に現場の方々が欲しているものを入れないで、どうするんでしょうね。安かろう悪かろうで、誰も使ってくれなかったら最悪だと思うのですが、そう思われないのでしょうかね…。

3. まとめ

 機能表などの一覧表比較だけだと、結局のところは"机上の空論"になりがちです。なので、せめて多少手間でも、実際にその製品を使ってみてから比較するべきでは無いでしょうか。だってね、機能表の中で現在はない機能があったとしても、メーカーは「出来らあっ!」て答えますもん。うん、そういうもんですよ。
 少しでも現場が本当に欲しい・使いたいものが導入される事を願って・・・。

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