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奥会津博物館に行ってみた

『奥会津の木地師』の上映会から早一月…

映画の舞台になった福島県南会津町にある『奥会津博物館』に、木地師についての展示があるとのことで、GWのさなか家族を引き連れて行ってきました。

奥会津博物館とは

国の重要有形民俗文化財指定の収蔵品が5,058点もある博物館。奥会津で数百年もの間使用されてきた山村生産用具、約24,000点が収蔵され、当時の暮らしをリアルに知ることができます。敷地内には、馬宿・染屋・猪股家・山王茶屋が移築復元され、散策をしながら見学できます。春から秋にかけては藍染を体験することができます。

おいでよ!南会津より


そのなかでも気になった展示物が…

館内は「山」「川」「道」の3つのテーマで構成されております。
木地師(切り倒した木から、会津塗り等の漆器に漆を塗る前のお椀やお盆を作る職人)の文化をはじめ、地元の稲作文化や農村歌舞伎文化、漁撈(ぎょろう)文化に至るまで様々な文化に触れることが出来ます。

南会津町HP·奥会津博物館 館内展示より

木地師の展示がある!!

南会津町は映画の舞台となった場所です。
映画の中でも使われていた道具の展示があるということで、行ってみました!

いざ、レッツ・ゴー!

会津若松市から南下して南会津町へ向かいます。

谷筋の少し狭めの道路をひた走り、町の中心地·田島地区を抜け、さらに南下していきます。

なかなか遠かった…

会津若松市内からだと1時間ちょい

博物館に到着

博物館は民具などを収蔵した屋内展示と、古民家を移設した屋外展示があります。
近くにはキャンプ場などの施設もありました。

博物館入口

まずは屋内展示へ

民具などの資料を通して、南会津地域の生活の営みを知ることができます。
昔は馬も身近な存在だったし、衣服だって自分で仕立てるのが『普通』だった…
昔の人の多才さに感嘆のため息が出ます。

映画の中でも馬に荷物を乗せる場面があった
染物の多彩な柄にも地域性があるようだ

いよいよ木地師のコーナーへ

記録映画の世界がそのまま出てきたような展示でした。
のちほど博物館の方に聞いたところ、やはり民映研から展示協力を頂いたとのこと。
映画を観た後だからか、展示への理解度が上がっているように思えました。
(『そうそう、コレコレ!!』となった。笑)

現物を見ると、木と道具のゴツさに対して
仕事の繊細さがわかる
この様子を動く映像で見れたことに改めて感動
道具の形状もじっくり眺められる

屋外展示も

町内から移設された古民家の中に木地師の住居·木地小屋もありました。
しかし、映画で観た木地小屋とは違った印象。(茅葺きではなく笹のイメージだった)
展示の為かもしれませんが、奥会津には木地師の集団が何組かいらっしゃったようなので、もしかしたら家の建て方も違っていたり!?と想像を巡らせながら見学しました。
(博物館の人に聞けばよかった!!と後悔…)

木地小屋 残念ながら立入禁止
旧山王茶屋 武士階級用の玄関がある立派な古民家
大河ドラマにも登場した染屋
5〜9月は藍染体験ができる(要予約)

おわりに

『奥会津の木地師』の映画上映に携わったことで、奥会津博物館に行きたくなった訳ですが、映画を見てから実際に訪れてみたことで、木地師さんや奥会津の生活の営みをより深く知ることができたように思います。
博物館へ向かう道中すらも、昔の人はどうやってこの地に行き着いたのだろう…と妄想。

最後に博物館の方と立ち話をさせて頂きましたが、奥会津は山と一緒に生きてきた地域だと仰ってました。
チェーンソーなどが登場した近代にかけて、自然の循環のスピードと人々の生活のスピードが変わった…と言っていたのが印象的でした。

『不便さとのバランス』

上映会のアフタートークで民映研の箒氏が仰ってたこのワードと、博物館の方の話がリンクしたように感じました。
便利なのは有り難いけど、手放してしまったものがあるのでは…?

木を1本切るのに45分もかけて、人力で運んで、手引きロクロで木地を作って、馬で運んで…という不便さが本来自然と共存するのには丁度良いバランスだったのかなぁと、素人ながらに考えを巡らす良い機会になりました。

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