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すしほり川、夢のまわらない鮨。


「まわらないお鮨」

心躍る魔法のフレーズ。
憧れの代名詞。

もう1週間くらい前になるのだけど、すしほり川さんで鮨をいただいてきた。
noteで出会ったお店なので、感想はnoteに書き留めておこうかなと。
その割に1週間も寝かせてしまったけれど。

18時、真夏の東京はまだ日も沈まない時間

緊張しつつ暖簾をくぐり、引き戸を開ける。

こんなご時世なので入口にアルコール消毒。
泡で出てきたので石けんかと思って5秒ほどフリーズしてしまった。

入店、即、取り乱す。

一番乗りでお店に入り(18時開店なので当り前)、あまりに不慣れな鮨屋のカウンターに何回か椅子を引き直す。
いまいち落ち着きが足らないこの感じ。
不慣れな、振る舞いのわからなさがにじみ出てしまう。

振る舞い方も何もわからずよく1人で乗り込むものだと我ながら思う。

ニコニコした大将が柔らかな優しい口調で色々と説明をしてくださる。
私の方はというと動きが少しぎこちなく感じるくらいには緊張していたけれど、大将とスタッフの方のおかげでだんだんリラックスしてきた。

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まず前菜3品。

かわいらしい魚のプリントやお皿に緊張がほぐれて笑顔になる。
よく見たらお店の中には大将やスタッフの方が書いたかわいらしい絵が溢れている。

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左から海ぶどう、しょうが、ゴーヤ、カボチャ、長いもの酢漬け、水ナス。

密かに私が食べてみたいなと思っていたものの1つに実は水ナスがありまして、初めて食べる水ナスにわくわく。
普段自分ではあまり食べることのない食材ばかりだったので、この時点で既に新しい体験に胸が躍り続けておりました。

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さらにこの中からおつまみ3品を選べるとのこと。

どれも物珍しく迷ってしまったけれど、ぜひ食べてほしいと言っていただいた筋子と、インスタで見て気になっていたカメノテ、そして穴子の刺身を選ぶ。
実は他のお魚や牡蠣、ホタテ、どれも気になっていたので3つ選ぶのはなかなかに決断力が試される。

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まず筋子。普段はしょっぱい、漬けてあるのしか食べていないから、しょっぱくなくて塩とわさびでいただくすじこは初体験。
全然生臭くなくて、優しく甘くて、驚き。

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こちらは穴子の刺身。
穴子、生で食べられるって知らなかったよね。
煮穴子とか、タレ塗ってってイメージしかなくて。
火を通したふっくら穴子とは違って、少しコリッとした歯ごたえと、脂ものっていておいしい。

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インスタで見かけて気になって仕方がなかったカメノテ。
最初は本当に亀の手なのかと思って、ビクビクしていたけれどこれは亀の手ではない。
甲殻類の一種だそう。
ツメっぽいところとの境目をちぎると中の食べられる部分が出てきて、ぱくり。
食べられるところはすごく小さいのだけど、なんだろう、ホタテのヒモみたいな、少し歯ごたえのある食感と旨みがクセになる。

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めちゃくちゃ好きだったのはこれ、とまとうふ鍋。

トマトと、豆腐と、エンガワが入ってる絶対間違いないやつ。

優しくじんわりあったかくて、とろけるエンガワが最高。
身体の芯からほどける。
きっとなにか魔法がかかってる。

そしてここからついにお鮨!
え、ここからですか??
もうコースとして終わってもおかしくないくらい出てて、いいんですか???
わくわくしっぱなしで最初の緊張などどこへやら。

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最初からもう大優勝な大トロ。
こんな分厚く食べ応え満点で、幸せしかない。

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エンガワ、大好きなんですよ、エンガワ。
こんなに大きくのせられているの、見るのも初めてよ。
眺めているだけで幸せになれちゃうから食べたらもう、現実に戻ってこられない。

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ウニね!ウニ!
食べられて良かったー、出会えて良かったー。
一口でいくの??いっちゃうの??いけちゃうの??なサイズ感。
甘くておいし。

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これはもう一口で収まらないどころか三口よ。
車海老ってこんな大きいんですか?
普段あんまり海老って食べないんですけど、海老、好きになっちゃった。
シャリにぎゅって握られている海老がかわいくてしかたない。

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ちゃんと頭の方もいただきました。
食べ方ね、わからなくてね、戸惑ってたら優しいスタッフのお姉さんが教えてくれましたありがとうございました。

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イワシだねえ~。
めっちゃくちゃ脂のっててびっくり。
こんな美味しいお魚おりますかね。
マグロの大トロに負けやせん。

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こちらは焼いた穴子。
上から山椒が振られて、大人な和。
刺身と全く違う食感、味でこちらはほっとするあたたかさが良い~。

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トロたく、おいしすぎてびっくり3度見する。
たくあんと一緒に食べるとさっぱりして、しかもトロとたくあんのバランスが良くて、1本まるごと独り占め希望。

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こちらはびっくり、野菜鮨。
松茸~~!
焼かれているときからじーーーーっと見ておりましたよ。
目を離さず、鼻に全神経集中させて、外はまだ真夏の蒸し暑い中だけども心の中だけは松茸の香りで満たして、秋をお迎え致しました。
80歳まで生きるとして、あと59本松茸を食べたい。
夢です。

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これ、noteとインスタで見ていて合うの??と半信半疑だった果物のお鮨。
この日はシャインマスカット。
見えます?ちゃんとわさびものってるの。
シャインマスカットのお鮨、ほんとうに、おいしい。
甘みが強いながらも爽やかなシャインマスカットだからこそなのかな、とにかく美味しい。
お鮨と言えば魚でしょ!!をがっつり覆す最後の松茸とシャインマスカット。

大学が再開した5月から怒濤の4ヶ月間を駆け抜けて、思えば全く休んでいないと気付いた矢先にnoteで偶然見かけたこちらのお店。
noteとインスタを拝見し、即空いてる日を探して予約。

いってよかった。

こんな若造だけども、大将にも常連さんにもとてもよくしていただいて、最初は緊張でかたくなりながらお店に入ったのに、出るころには次いつ行こうかなんて考えつつ笑顔が止まらなくて、最高でした。

ずっと忙しない日常を送っていた中でお鮨をいただいている間はなんだか別の世界に行ってしまったかのような、時間が止まったかのような感覚で、とても貴重で愛おしい時間だったなあと。

食べている最中も満たされていたのだけど、食べ終わってお店を出て夜の住宅街を下北沢駅に向かって歩く15分間、そして家までの帰り道、、、なんなら翌日も、1週間経った今も、じわじわと心に染み渡ってふと「美味しかったなあ」って呟いちゃうような。

なんなら下北沢駅までの15分間夜道を歩きながら余韻に浸って、少し泣いちゃったんだよねえ。

その場で料理の見栄えが良くて、美味しかったねっていう食事はどこにいってもあるけれど、食べ終わってほっと一息ついた後になお美味しさと満たされる感覚に包み込まれる体験ってなかなか無いんじゃないかな。

実はこれを書くまでに1週間寝かせたのも、食べているときは普段こんなに良い食材を、お鮨という形で食べることがなかったから初めて食べる味のような感覚で食べているときは実感が湧かなかったんですよね。
食べ終わってお店を出た後が一番最高潮に感動して、それから1週間、度々思い出してあれがおいしかったな次もこれ食べられるだろうかなんて。

2回目行くときっとまた感じ方が変わるのかも知れない。

楽しみだな、すごく。


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