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普段はフリーランスのDTPデザイナー。 イラストやチラシを作ったり。 noteでは、小…

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普段はフリーランスのDTPデザイナー。 イラストやチラシを作ったり。 noteでは、小説、短編小説、詩、短歌等を執筆しています。 時が経っても色褪せない、時代が移り変わっても不変なもの。 その不変なものを言葉で伝えたい〟 ひとつの言葉が、誰かの心の片隅にでも残れば幸せな事です。

マガジン

  • わたしは人間であり 大人であり子供であり 恋人であり友であり 家族であり偽善者である 誰も皆100の顔を持つ たったひとりの人間である 誰もが持つ光と闇の心 この生き辛い世の中に生きる そんな全ての人に贈りたい

  • 短編小説

    ~ 人の心が動く時 ただその瞬間だけを求めて贈りたい ~ 誰でも消し去りたい過去を持っているけれど それは記憶の中に確かにあって、積み上げられたその人の歴史 誰にも残酷にやってくる未来が待っているけれど それを希望に溢れた未来に変えるのはその人の生き方次第 人に語る事のない孤独と優しさ 誰もがつまずくはずの人生をただ緩やかに

  • 短歌

    ~ 瞼を閉じて生まれた言葉たち ~ 美しい日本語が好きです。 ただただ日本語の美しさを追求したくて書き溜めた短歌たち。 企画を除き特に歌の説明は致しておりませんので、自由な解釈でお読み下さい。 テーマは様々です。 ひとつでも皆様の心に届く歌がありますように。

最近の記事

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【詩】声

古ぼけた図書館の 少し古ぼけた本を開くと 数え切れない人々の声が 静かな空間を埋め尽くすように わたしの心に流れ込む 悲しみ 怒り 喜び 憎しみ 寂しさ 嬉しさ 涙する人々 怒りに打ち震える人々 安堵にため息をつく人々 いつかこの本を手にした人たちの いくつもの声が 心が わたしの世界に響き渡る 本を手にしている人だけに聴こえる 不思議な声 見渡すと あちらでもこちらでも 驚き顔がいっぱい 人々の想いを織り込む 不思議な図書館 四階の窓

    • 【詩】イマージュ

      巨木の年輪や 虫達の通り道 風が作る雲の形 打ち寄せる波 木の葉の重なりも イマージュはすべて アートになる わたしの左手の中で アートになる

      • 【詩】AIZOU

        語る事はできても 委ねる事はできない 教える事はできても 導く事はできない 愛する事はできても 信じる事はできない 泣く事はできても 許す事はできない  見守る事はできても 差し伸べる事はできない 祈る事はできても 与える事はできない 呼ぶ事はできても 応える事はできない 振り向く事はできても 共に生きる事は できない

        • 【詩】恋ができないあの人に

          恋ができない あの人に ありがとうの言葉を 愛を求めぬ あの人に おはようの言葉を 環境に作られた 純粋無垢なあやつり人形 恋を知らない あの人に 大丈夫の言葉を 愛を忘れた あの人に さよならの言葉を

        • 固定された記事

        【詩】声

        マガジン

        • 27本
        • 短編小説
          2本
        • 短歌
          2本

        記事

          【詩】その時少年の心は

          その時少年の心は痛んだ 初めて知った恋に 戸惑い恐れ 涙を覚えた その時少年の心は壊れた 見なくてもいい 闇の世界を 見てしまった その時少年の心は崩れた 信じるなんて エゴに過ぎないと 知った その時少年の心は引き裂かれた 裏切りなんて この世に存在しないと 知った 己の期待こそが すべての悪なのだと その時少年の心は砕けた 一人と孤独の違いに 初めて気づいた そして少年の心は粉になり 指先から零れ落ちた 矛盾だらけの世界を 生き抜くために 自ら捨てた そし

          【詩】その時少年の心は

          【詩】アクセル

          風ひとつない静けさの中 月だけを頼りに わたし アクセルを踏む 月は知ってる わたしの人生を 捻じれた夢と愛 正当化された罪と罰 「お前に弁解の余地があるとでも 思っているのかい?」 月が嘲笑う 自由ほど 不自由なものはないと お前に 幸せな未来などないのだと 嘲笑う 誰か わたしはここにいていいと言って もしもだめなら わたし アクセルを踏んで どこへ向かおう 優しい月が導く 破滅への道を わたし ハンドル切るの 月が消えた時 もう道はない 海沿

          【詩】アクセル

          【詩】もうひとつの風

          伏せた瞼に雨露を光らせ 祈りを捧げる少女は 高鳴る鼓動をいくつ数え 吹き抜ける風をいくつ見送り 闇の中の孤独をいくつ抱き止め 今 ここにいるのだろう 固く結ばれた両手は いくつもの祈りを閉じ込め 愛する人々の想いを背負い 無数の祈りをその指に織り込む もうひとつの風が流れた時 少女の瞳は大きく開かれ ここに立ち上がる 解放の時は近い だから今 ここに立ち上がる

          【詩】もうひとつの風

          【詩】しかけ絵本

          静かな午後 お気に入りの小説を閉じて 眠る 眠る 眠る 一冊の小説は まるでしかけ絵本のように 言葉が 想いが 祈りが いくつもの心が 立体になって 這い出し 立ち上がり 喋り出す 眠るわたしの 瞼の隙間から忍び込む 忍び込む 忍び込む 「どうか伝えて 僕の心を  どうか伝わって 僕の想い  どうか感じて 僕の切なさ  どうか信じて 僕の恋心    どうか許して 僕の罪を」 想いは激しく 魂を燃やし 魂を燃やし尽くし―― 眠りから寝

          【詩】しかけ絵本

          【詩】林檎

          地球なんて林檎 所詮神の手のひらで転がる林檎 神の手ひとつで 握り潰すことも 切り刻むことも すりおろすことも 手相が見たくて放り投げることも 自由にできる 青い林檎 黄色い林檎 赤い林檎 林檎は色んな表情を 見せてくれるけれど 神の御心ひとつで 熟した林檎も放置されれば 腐ってただの生ゴミ 林檎の意思などありはしない やっぱり神の手の中転がるだけ だけどもしも ねぇもしも 神が喉を潤したくて ひと口林檎をかじったら 林檎の虜になったなら 林檎の種を取り

          【詩】林檎

          【詩】砂漠に降る雨

          その昔 砂漠を旅した恋人は オアシスを求め 歩き続けていた 恋人は 照りつける 太陽に打たれ 降るはずのない 雨を見て いるはずのない 愛する人の姿を見て 微笑みながら 力尽き 逝ったと云う 彼女は 今日もまた 星を見ていた きっとあの人 同じ星を見ていると ただ信じて 同じ月を 同じ太陽を 同じ空を 今この瞬間にも きっと 見ていると ただ信じて その昔 砂漠を旅した恋人は オアシスを求め 歩き続けていた 力尽き 風になるまで 歩き続けていた

          【詩】砂漠に降る雨

          【詩】白道の君

          月の軌道で待ち伏せる コロコロ転がってさぁおいで 黄色い顔してさぁおいで 僕の手の中に飛び込んで たいくつだろう? 転がってばっかりじゃ たまには飛んだり跳ねたり 立ち止まったりしてみたくはないかい? 月は答える 「たいくつなんてしないのさ 私は月だよ あの有名な月だよ いくつもの朝と昼と夜を見送った いくつもの生き物達の一生を見送った あの月だよ いくつものドラマを毎日ライブで見てるんだ たいくつなんてするもんか」 僕の目の前通過する 丸い君は澄まし顔 「さよな

          【詩】白道の君

          【詩】命の鼓動

          チク タク チク タク 時刻む 鼓動 地球が憂う 病んでいるのは 地球か ぼくか 命の鼓動 命の刻み 地球とぼくとの共存 地球がぼくを追い出すのが早いか ぼくが地球を棄てるのが早いか 神と手をつないで さぁ 最後に生き残るのは?

          【詩】命の鼓動

          【詩】帰れない場所

          二度と帰れない場所がある 二度と歩けない道がある 二度と開けない扉がある 二度とは会えない人がいる これほど正確に 記憶のひだに留まっていて まぶたの裏で目覚めた過去が 未来に向かって 動き出しそうであっても 手放した過去は 二度と帰らない記憶の彼方 誰にも 二度と帰れない場所がある 二度とのぼれない坂がある 二度と渡れない橋がある 二度と渡せない愛がある

          【詩】帰れない場所

          【詩】ふたりだけの儀式

          今儀式が始まる 息もできない灼熱のヒカリの中で生まれた銀の粉 ぼくの両手の中で輝いている その神々しさにぼくは思わず目を細める 両手の中の銀の粉 ぼくはひとつの音楽を織り込んだ それはまるで呪文のように 永遠に終わらぬ祈りのように 感触も重さもない銀の粉は ぼくの手から流れ落ちていく きみの命を解放するように 流れ落ちたきみの命は風に乗り 鮮やかな銀色の弧を描き ぼくの祈りを乗せて 地上から舞い上がる ぼくの目を手のひらを夕陽を 一瞬の内にまば

          【詩】ふたりだけの儀式

          【詩】終着点

          大きな大きな宇宙の真ん中辺りに 小さな小さな豆粒のような星がありました 地球と名づけられたその星は 丸くて青くて美しくて 絶える事なくくるくると回っていました 小さな小さな地球の四方八方に もっともっと小さな ちりのような生き物が無数にいました 人間と名づけられたその生き物は 細長くて自分勝手でうるさくて 好きなように星を行き来していました 星が生まれ生き物が生まれ人が生まれ 仮想現実のような人生に満足して生きる者達が 泡のように湧いて生まれては死にゆき やがて世界はとり

          【詩】終着点

          【詩】もしもあの人が

          もしもあの人が 醜くても 背負っている業を 愛したいのです もしもあの人が 不器用でも 抱えている罪を 赦したいのです もしもあの人が 歪でも 口ずさむ音楽で 眠りたいのです もしもあの人が 偽善者でも 見る夢は真だと 信じたいのです もしもあの人が 罪人でも 一粒の涙を 抱き締めたいのです もしもあの人が わたしの仇でも 共に生きる道を 見つけたいのです

          【詩】もしもあの人が