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【体験録】無限ループから抜け出すためには -5月編/01-

 四月も終わりに近づき、ゴールデンウィークを迎えて五月も十日を過ぎようとしている。しかし自己破産のほうも生活保護の方も特別動きは見られない。

 というのも当然で、連休中に弁護士へメールしても未だに返信が来ないし、生活保護の方は私がアクションをしないと動きを見せないようだった。ではアクションを、と思っても連休明けの残業パレードは見込み通りであり、作業量は多いのに睡眠時間の調整が取れていない。

 早い話がいろいろと詰まっていて、今はまだ身動きが取れんということだ。

 早いところ生活保護には連絡を取らないといけないのだが、まだ給与明細も来ていないし給与額が確認できるものも手元に無い。自己破産の申し立てのために通帳が今、手元に無いのだ。なかなかうまくいかないものである。

 というわけで五月に入ったが自己破産も生活保護も全く身動きが取れない。大型連休の明けというのは大体そんなものだ。……仕事を抜けないと電話も出来ないのがやや手痛い。その電話だってタダではないのだしなあ。

 休みを取って生活保護の窓口に行くよりは、FAXの方がいろいろと割安のように思う。いや、郵送か? コンビニでFAXをするときは五十円と枚数分だったはずだ。今のところ二枚を送る予定だから、百円……。郵送なら、収まれば八十二円……。封筒はあっただろうか……踊る字で宛名と差出人を出したくないんだが……。

 延々、ぐるぐるとこればかりである。
 もうFAXでいいかな。

 延々とぐるぐる考えることといえば、もう一つある。副収入である。

 今の収入額に不安があるか。ある。万が一を考えたくはないが、何が起こるか分からないのが世の常だ。金が欲しいか。もちろん。理想の生活を送るためには、今よりも生活水準を上げたいと思う。

 これについても先日、友人と話し合ったのだが明確に分かったことが一つある。そのきっかけはこのやり取りであった。
「この連休が明けたら残業パレードですよ。あっという間だったなァ」
「残業? いいじゃない、稼げるよ」

 私は残業で『稼げる』と思ったことはない。残業代は出る出ないの問題ではなく、私は定時で帰りたいのだ。

 通勤片道一時間、往復二時間がもったいない! だが勉強家というわけでも、仕事のために資格をと思うわけでもなく、行きも帰りもヒトだらけのこの時間が、ただただ無駄にしか思えない。私はパーソナルスペースがやや広いことを自覚している。

 むしろ働く時間こそが。そもそも労働が好きではない。今の仕事はそれなりに楽しいが、面白くはない。いつかこの「楽しい」と感じることも忘れるだろう。それはそう遠くはないはずだ。

 やりたいことは沢山ある。頭の中にいくつも転がっている物語の断片を整理して完結させたい。絵を描きたい。写真を撮り、旅行をしたい。寝たい。ひたすらゲームに明け暮れたいし、ゲームを作ってみたい。

 しかしこれでは食えないので働いているだけで、しかし働いているとやりたいことは出来ないわけで、という堂々巡りだ。これが実に不快でならない。

 しかし以前にもお伝えしている通り、自分の作品をウェブ上に置くことはしても宣伝はしない。自分の中で「見てみて!」という感情が全くないことは無いのだが、そういった宣伝活動や広告すること、知らしめる行動が大変苦痛でしかない。

 正直言ってラジオの宣伝や活動報告も実はしんどい。興味ない人間にとって、それは鬱陶しいだけだろう。他人が宣伝活動をすることに対して、私はそう思わない事の方が多いのだが、私が過去に活動をした際、煙たがられたことしかないので経験上、他者を相手にそれらの行為が出来ないのだと思う。一昔前に、もしくは今も言われているのかもしれないが、私は典型的な『自己肯定感の低い』子でありそのまま成長した大人だ。

 もはや『したくない』が本音である。

 やりたいことを、ただひたすら、満足がいくところまでやりたい。ただそれだけなのだ。それだけでは金にならないし食っていけないから、労働している。だが元来労働を好まないので辟易とする。こちらも堂々巡りというか循環が悪い。

 働き出す前にせめて、部屋の片づけや整理でも出来れば良かったのかもしれないし、あの時だって思わなかったわけではないが、やはり働き始めると部屋の整理整頓がおろそかになりやすい。この季節。そして近場に飲食関連の店。虫が既に部屋の中に現れたのを受けて、私は最大でも七割か八割程度の元気しかないように感じられる。

 金よりも部屋だ。部屋の整理をしよう。なあ、おい何度目だ? そう思ったのは、何度目なんだ?

 布団を買い替えたい。靴も、服も。何度目だ? 金がないから出来ないんだってば。今はまだ手が出ない。

 部屋の整理をするために、百円均一に行こうか? 四月にダブって払った家賃やトレーニングの代金で金がない。今は買うべきじゃない。最低限の買い物しか出来ない。

 金がないなら作ればいい! 何が出来る?

 だから、仕事帰りで元気のないうちは何も手がつかないって。趣味なのに、好きなのに楽しくない。やりたくない、寝ないと起きれない。起きれないと仕事に行けない。そうだろう。

 ぐるぐると。これらは延々と回り続けている。無限ループから脱するためには、どこかで分岐点を作るか見つけるかして違う流れを作ることだ。つまるところは、今出来ることをやるほかない、という結論に至る。

 連休中に自覚した、適度な睡眠時間は六時間。働き始めたら四時間未満の睡眠時間の日も出て来ていた。時間。

 そうか、時間か。五月。私はもう一つ先へ進むために一つのヒントを得たようだ。

 時間についても今まで散々思ったり考えたりしたじゃないか、ということには触れてはいけない。今の状況での時間の使い方を考え直さなければならない。そういうことだ。

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