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泰山木 【超短編】

  池の畔に咲いた白い花は泰山木という唐めいた名のせいか、仙女のように自適して枝にただ端座するのみの日々を過ごしつつ、散るべき日を静かに待つ佇まいであった。彼はその花弁が印を結ぶ尼僧の指のように天に向かって揺れる様に、昨夜結局は彼を拒んだ彼女の手ぶりが重なるのに気付いた。 

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