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田舎町の唯一鮮やかに夜景が浮かび上がったその場所で  #呑みながら書きました

凍てつく雪月夜、唯一街で煌びやかな眺望を望める埠頭の上の車の中。

かれこれ2時間たわないもない話をしてる。あなたとわたし。
何を話したいのかわかったのは2時間を過ぎた頃、
そやな、そうやなそらそうやろ。
何が言いたいのかわかっているだけにもどかしい。
思い出話に「うん、うん」と付き合ったり笑ったりのいったりきたり。

そしてあのアルバム聴いた?と話がまた始まり
一緒に観た映画の劇場が暗くてよく見えなくて席に着けなくて手を取って
もらった高鳴る胸で泣きだしそうで嬉しかった感情がこみ上げてきたり。

雪灯りに照らされた田舎町の唯一鮮やかに夜景が浮かび上がったその場所であなただけが今かいまかと口を開くタイミングをはかってる。
わたしといえば半ば退屈してる時間のその隙間。

どうしてこんな時の流れになったのかそれはわたしが口火をきった結婚式前日、若気の至りで発した言葉。
「プロポーズもなくてよく式までたどり着いたよね」
「そういえば告白とかもなかったよね」
この一連があり煌びやかな眺望を望める埠頭の上の車の中にいた。

本当にラッキーな年下夫だ、上から目線ではなくて。
色んな段階も踏まずも結婚できるんだから。
こんな夫婦もいる、自分でも信じられないけど、
なんとか円満にも子宝にも恵まれやってきた長い月日。
これはないよね、ここ一番の言霊は発しないと。
いや、ダメよあり得ない本当にダメだろ本当に。わたしはMなのか…
あっ、自分の名誉の為にも言いたいけど決して強引に迫っただとか言い寄ったとかではない!断言する。
年下夫が元彼女に好きな人が出来て子どもまで出来て別れた後、
はい次、次、心の傷を癒すのは新しいひと。えっさえっさ合コンをセッティングしたのは私。彼にははっきり言って興味はなかった。
愛嬌も愛想もなかったから。でも今、一緒にいる。

「俺についてきてくれ!」
「君と一緒にいつも笑っていたい、だから結婚してください。」
「頼りない俺だから、君がいなきゃダメなんだ!結婚してください。」
一生に一度きりのクサイけど嬉しい言葉にも埋もれてみたかった。
一生に一度きりとは限らないけど浸りたかった。
もう一度味合う気が満々なのか…それももうないかな。

違うそうじゃない取り乱しました。
けどプロポーズなしでも寡黙で勤勉な夫で無事平穏に暮らしてるし寡黙すぎてもう時が経てば空気のようになってきてるけど、
お互いが心地よいことをしながら暮らしている。
プロポーズがなくても要求しても。
最期の最期の言葉を期待して少し心に刻んんだ寂しさも抱えながら
最期のありがとうに期待しておこう。多分、ないだろうけど。 

これからのみなさんへ
食べ物の心残りとプロポーズは万全に




















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