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【読書】『ジャングル・ブック』

 福音館古典童話シリーズより『ジャングル・ブック』を読み終えました。

 『ジャングル・ブック』は、ディズニーでアニメ化、実写化もされましたね。アニメは見ていませんが、実写版は見ました。バキーラのしなやかな動きが印象に残っています。

 子どものころに読まなかった児童文学や古典童話、有名なものを読んでみようと図書室から借りてきました。『秘密の花園』『あしながおじさん』『西遊記』は読んだことがあったのですが、『宝島』『ロビンソン・クルーソー』『ガリヴァー旅行記』など、読んでいない作品もあります。

 『ジャングル・ブック』は、人間の赤ん坊(男の子)が、ジャングルで育っていくお話です。

 主人公のモーグリを通して見るジャングルはとても豊か。自然の恵みだけでなく、雨の降らない恐ろしい時期も読者に経験させてくれます。
 
 ジャングルの中で定められた掟、オオカミ仲間の間で守る掟。様々な掟を育てのオオカミ、教師役のクマのバルー、黒ヒョウのバキーラ、ジャングルの仲間から教わります。

 悲しく思うのは、モーグリは人間だということ。どれほどジャングルの掟を守っても、ジャングルの仲間に誠実に付き合っても、人間だということで辛い思いもします。そして、オオカミよりも寿命が短いということ。

 ラストになれば、乳飲み兄弟は残っていても、両親のオオカミはこの世を去ります。赤ん坊のモーグリを受け入れようと決めたオオカミたちも、年をとり世代交代をしていくのです。

 クマのバルーは目が見えなくなり、黒ヒョウのバキーラも以前より動きが遅くなりました。

 モーグリは、ジャングルのものですが、人間との関わり、人間の両親、母親との絆ができていきます。

 モーグリはジャングルを愛してる。モーグリはジャングルの仲間を愛してる。そして、ジャングルもモーグリを愛してる。

 「いい狩りを!」

 成長したモーグリは、自分の世界へかえっていきます。ジャングルのものたちは、成長したモーグリを新しい狩り場へ送り出します。

 別れのシーンは切ないですが、読後感が良いですね。モーグリの旅路は明るく、やさしさに包まれていて好きです。 


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