【詩】初夏の風
春風を追い抜いて
どんどん田畑を渡っていこう
竹林の間を通り抜け
川面をすべるように走り
鳥よりも早く走っていこう
どこから来たかって?
どこへ行くんだって?
そんなことどうだっていいじゃないか
新緑の葉を揺らし
光を大地にこぼしていこう
出発の準備が整った
たんぽぽの綿毛を連れていこう
まだ春を知らない雪国
目覚めたばかりの山奥
春はとっくに通り過ぎたのだと
報せに行こう
さあ行こう
はやく行こう
ぼやぼやしていたら
あっという間に夏がやってくるから
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