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【詩】それぞれがマイペース

最初は友達と一緒に歩いてた

おしゃべりがおもしろい

笑うと楽しい

怒って泣いて悔しがって

感情がわっとまるくなる

共有できていた

共有できるのが嬉しかった

いつからだろう

ゆっくりと合わなくなった

おしゃべりは面白い

笑うと楽しい

なんでだろな

走り出したくなったんだ

「ねえ、走ろうよ」

思い切って声をかけたけど

首を振られた

「私はゆっくりがいいよ」

「僕は休憩したいな」

「俺は後戻りしたい」

ええ!?

みんな一緒に歩いてたのに

同じように笑ってたのに

楽しくしてたのに

違ってたんだねぇ

みんなで大笑い

笑って笑って笑って

ほほえんだ

「またね」

それぞれ自分のペースで歩んでいく

笑いとおしゃべりがなくなった

風が冷たいような気がする

さびしい

なのに清々しい

やっと手にした自分の時間

やっと見え始めた自分の道

誇らしかった

みんなと共有していたものとは違う喜びが全身を満たす

それでも

たまに思い出す

一緒に笑った仲間たちを

あの日々を

もう一度

共に過ごしたいと願いながら

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